業の保育士への適切な
賃金支払いを申し入れ

新型コロナウイルスの影響で仕事を休まざるを得なくなった保育士に対して休業手当が支払われないケースが相次いでるとして、労働組合が適切な対策をするよう内閣府に申し入れました。

申し入れをしたのは、保育士などで作る労働組合、「介護・保育ユニオン」です。

組合によりますと、ことし4月以降、ウイルスの感染拡大を防ぐため全国の保育所が子どもの受け入れを制限したことなどに伴い仕事を休まざるを得なくなった保育士から、休業手当が支払われないとか強制的に有給扱いにさせられたなどといった相談がおよそ320件寄せられているということです。

内閣府は、人件費を含めた運営費が国と自治体から支給される認可保育所などについては賃金と同じ水準の休業手当を支給するよう通知を出していますが、依然として相談が寄せられているということです。このため申し入れでは、賃金を適切に支払うよう保育所の事業主などに周知を徹底することやチェック機能を強化することなどを求めています。

介護・保育ユニオンの三浦かおり共同代表は、「今後感染が拡大し、再び保育園が休園すれば、同様のケースが増える懸念がある。国は一刻も早く実態を把握し、対策をしてほしい」と話していました。また、元園長の50代の女性は「本来、人件費として支払われるべき税金が保育所の運営会社の利益となり、保育士の処遇改善が置き去りにされている実態を多くの人に知ってほしい」と話していました。

現場の保育士は

都内の認可保育所で派遣の保育士として働いていた20代の女性は、休業手当が給料の6割しか支払われなかった1人です。

派遣先の保育所は緊急事態宣言が出されていた4月はじめから5月末まで受け入れる子どもの数を減らしたため、女性はことし4月の勤務を7日間減らされました。この間の休業手当の支払いについて保育所と派遣会社からは説明がなく、支払いを求めると給料の6割しか支払えないと言われ、収入が3万円ほど減ったということです。

女性は当時の保育所などの対応について「国からの委託費が通常どおり支給されているのに全額支払えないというのはおかしいと思いました」と話しています。

女性は、労働組合に加盟して交渉を行い、ようやく給料と同じ額の手当が支払われましたが、その後、次の契約更新はできないと伝えられ、6月いっぱいで雇い止めになったということです。女性は「休業手当は無いとか、6割しか出ないと決まっているなどと言われ、不信感を抱いた。緊急事態宣言という初めての状況の中で混乱したのだろうが、給料が出るのかよくわからなかった現場の保育士のほうがより不安だった。国は、保育所に通常どおり給料を支払うよう強く求めてほしい」と話していました。