東京都206人感染
4日連続200人超は初

東京都は12日、都内で新たに乳児を含む10歳未満から90代の男女合わせて206人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。都内で1日に確認された数が200人以上となるのは、今月9日の224人、10日の243人、11日の206人に続き、4日連続です。

206人のうち、20代と30代は合わせて133人で、全体のおよそ65%を占めています。また、114人はこれまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、92人は今のところ感染経路がわかっていません。

いずれも症状は重くないということです。

これで都内で感染が確認されたのは合わせて7927人になりました。

都によりますと、新たに感染が確認された206人のうち44がホストクラブやキャバクラ店など近い距離での接客を伴う店の従業員や客だったということです。また、保育園や介護施設などでの感染が27人、家庭での感染が16人、同僚との会食などでの感染が10人となっています。

地域別にみますと、新宿エリアが45人、池袋エリアが5人となっています。

一方、12日都内で死亡が確認された人はいませんでした。

都は、不要不急の他県への移動は控えるとともに、感染の確認が相次いでいる夜の繁華街では、適切な感染防止策を講じている店を選ぶなど、十分に注意するよう強く呼びかけています。

東京消防庁 隊員3人が感染 接触職員は自宅待機に

東京消防庁の消防隊員3人が新型コロナウイルスに感染したことが分かり、東京消防庁は接触のあった職員16人を自宅待機としました。

東京消防庁によりますと、新型コロナウイルスの感染が確認されたのは、清瀬消防署に勤務する20代の男性の消防隊員3人です。今月9日、発熱の症状が出た消防隊員の2人とこれとは別に業務外で感染者と濃厚接触の可能性があった消防隊員の合わせて3人がPCR検査を受けたところ、いずれも11日までに感染が確認されたということです。

このため東京消防庁は消防署の庁舎内を消毒するとともに、3人と接触した職員16人を自宅待機としました。詳しい感染経路はまだ分からないということで、引き続き保健所の調査に協力していくとしています。

一方、清瀬消防署では、業務に支障が出ないように人員配置を調整するということです。

西村経済再生相「警戒すべき水準 飲み会で感染」

西村経済再生担当大臣は、東京都内の新型コロナウイルスの感染者数が11日まで3日連続で200人を超えたことについて「警戒すべき水準だ。若い人が多く、飲み会やコンパなどで感染が広がってきており、中高年も含めたいわゆるビジネスマンの会食での感染のケースも見られる」と指摘しました。

そのうえで西村大臣は、マスクの着用や手洗いなど、基本的な感染防止策の徹底を重ねて呼びかけるとともに、バーやクラブなど接待を伴う飲食店に対するPCR検査の積極的な実施や、保健所の体制強化、事業者に対するガイドラインの順守の要請などを通じて、高齢者施設や病院などへの二次感染の防止に努める考えを示しました。

一方、店舗への休業要請について、西村大臣は「他のエリアに事業者が移ってしまうなど、いろいろなマイナス面も考えないといけないので、今後の感染状況に応じて引き続き検討を行っていきたい」と述べ、改めて慎重な考えを示しました。

菅官房長官「検査の攻めの姿勢の結果」

東京都で、新型コロナウイルスの新たな感染者の増加傾向が続いていることについて、菅官房長官は北海道千歳市で行った講演で、「今は陽性者のうち約8割が39歳以下の人だ。政府としては、徹底してPCR検査をして陽性の人を探すという攻めの姿勢で今は対応している」と指摘しました。

そのうえで、「新たな感染者が増えることにより、『また緊急事態宣言を出すのか』と聞かれるが、今の社会経済活動を進めていくという方針に変わりはない。政府の基本方針は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐと同時に、社会経済活動を徐々に復活させていくことだ」と述べました。

さらに菅官房長官は「これ以上の感染拡大を防ぐために、東京やそれぞれの区と連携しながら今、取り組んでいる。この問題は圧倒的に『東京問題』と言っても過言ではないほど、東京中心の問題になってきている」と述べました。

立民 枝野氏「東京都に緊急事態宣言を」

立憲民主党の枝野代表は、12日、千葉市の福祉施設で新型コロナウイルスの感染防止の取り組みなどを視察したあと、記者団に対し、東京都で新たな感染者が連日200人を超えていることについて、「検査数も増えているが感染者数の増加とは比例関係になく、何もせずに放置している状況は許されない」と述べました。

そのうえで、「少なくとも東京都には緊急事態宣言を出すべき客観的な状況があり、そうでないなら政府と東京都は具体的に説明する責任がある。さらに感染が拡大すれば、政治の不作為による失敗だということになる」と述べました。

また、菅官房長官が、11日、「『東京問題』と言っても過言ではないほど、東京中心の問題になってきている」と発言したことについて、「感染を拡大させない責任は政府にあり、責任逃れとしか言いようがない」と批判しました。