本が盾、米が矛という
環境でない」 茂木外相

今後の安全保障戦略について、茂木外務大臣は、自衛隊は専守防衛、アメリカ軍は攻撃を担うという、日米の役割分担は、今の厳しい安全保障環境にそぐわなくなっていると指摘し、防衛力強化に向け議論していく考えを示しました。

新型迎撃ミサイルシステム、「イージス・アショア」の配備計画の停止を受け、政府は、これに代わるミサイル防衛体制を含めた安全保障戦略の再構築を進める方針で、「敵基地攻撃能力」の保有の是非も焦点の1つになるものとみられます。

茂木外務大臣は記者会見で自衛隊は専守防衛、アメリカ軍は他国への攻撃を担うという、日米のいわゆる「盾と矛」の役割分担について「単純に日本が『盾』で、アメリカが『矛』と性格づけられるような安全保障環境ではない」と指摘しました。

そのうえで「わが国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、どう日米の連携をとり、日本として防衛力、対処力を強化していくかという議論は極めて重要だ」と述べ、防衛力強化に向け議論していく考えを示しました。

官房長官「与党の議論受け止める」

菅官房長官は午後の記者会見で「『イージス・アショア』の配備プロセスの停止によっても、わが国の防衛に空白があってはならず、安全保障戦略のありようについて、国家安全保障会議で徹底的に議論していく。国民の生命と平和な暮らしを守るため、憲法の範囲内で、専守防衛という考え方のもと、与党におけるさまざまな議論なども受け止めつつ、しっかり議論していきたい」と述べました。

一方で「国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画の見直しについては現時点で決まっておらず、具体的な議題や外部有識者の関与の在り方について、予断を持って答えることは控える」と述べるにとどめました。