害危険「市に説明義務」
被災住民へ賠償命じる 地裁

7年前の台風で浸水被害を受けた京都府福知山市の住民が、水害の危険性を説明しないまま宅地を販売していたとして市を訴えた裁判で、京都地方裁判所は「説明すべき義務があった」と判断し、市におよそ810万円の賠償を命じました。

平成25年9月の台風18号による大雨で、福知山市石原地区では近くを流れる由良川とその支流が氾濫し、市が造成した宅地などで床上まで水につかる被害が出ました。

この地区などに住む住民7人は、過去にたびたび水害があったにもかかわらず、市は危険性を十分に説明しないまま宅地を販売していたなどとして、およそ6200万円の賠償を求めていました。

17日の判決で京都地方裁判所の井上一成裁判長は「浸水するおそれのある土地かどうかは購入者にとって重大な関心事だ。市はハザードマップの内容だけでなく、過去の浸水被害の状況や今後の被害の可能性に関する情報を開示し説明する義務を負っていた」と判断し、およそ810万円を支払うよう市に命じました。

判決のあと原告の1人の山岡哲志さんは「永住を決めて家を購入した1年半後に浸水被害を受けました。市は一刻も早く治水対策をして住みよい地区にしてほしい」と述べました。

福知山市は「判決の内容を精査し、今後の対応を検討していきます」とコメントしています。