書改ざん 自殺職員の妻
再調査求め35万人超の署名

森友学園に関する財務省の決裁文書の改ざんに関与させられたことを苦に自殺した、近畿財務局の男性職員の妻が、第三者委員会による再調査を求めて集めた35万人を超える署名を15日、安倍総理大臣宛てに提出し、改めて再調査を行うよう求めました。

決裁文書の改ざんに関与させられた近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(当時54)がおととし命を絶ったことをめぐり、妻の雅子さんが財務省とは独立した第三者委員会による再調査を求めて、インターネットで行っていた署名活動は13日までに35万2659人が賛同しました。

15日、雅子さんの代理人の弁護士が集まった署名を詰めた段ボール箱5箱をもって東京の内閣府を訪れ、安倍総理大臣宛てに雅子さんが直筆で記した「夫の死がむだにならないためにも、私は真実が知りたい」という手紙とともに提出しました。

弁護士は署名を提出したあと会見を行い、雅子さんが「夫が生きている間にたくさんの人が応援してくれていることを知ったら、自死まで追い詰められずに生きていたかもしれません」などと署名した人への感謝のコメントを読み上げ、再調査の実施を強く訴えました。

一方、国や財務省の佐川元理財局長に賠償を求めて起こした裁判は来月15日に始まることが決まり、雅子さんが法廷で意見陳述する予定だということです。

妻の直筆の手紙(全文)

近畿財務局の職員、赤木俊夫さんの妻の雅子さんが集めた署名を提出する際、代理人の弁護士は提出先の安倍総理大臣や麻生副総理兼財務大臣などに宛てた雅子さんの直筆の手紙も手渡しました。

手紙の全文です。

「私の夫、赤木俊夫がなぜ自死に追い込まれたのか有識者によって構成される第三者委員会を立ち上げ、公正中立な調査を実施して下さい。この呼びかけに“35万2659人”の方が賛同してくださいました。当時、財務省・近畿財務局の中で何が行われどのようにして夫が改ざんすることになったのか、改ざんを招いた土地取引に問題はなかったのか。こんなことが二度と起きないためにも夫の死が無駄にならないためにも私は真実が知りたいです。再調査を実施してください。お願いします。赤木雅子」

署名者への感謝コメント(全文)

赤木雅子さんが署名を寄せた人に向けた感謝のコメントを代理人の弁護士が会見で明らかにしました。

そのコメントの全文です。

「35万人を超える署名を頂きました。このような沢山の方に署名をいただいたことにとても驚いています。感謝しかありません。本当にありがとうございました。夫が生きている間に、このような沢山の人達が夫を応援してくれることを知ったら、夫は自死まで追い詰められずに生きていたかもしれません。夫もとても喜んでいると思います。印刷した署名と応援のコメントは、夫の仏前に置いてあげたいと思います。」

官房長官「関与した職員は処分 検察の捜査も結論出ている」

菅官房長官は午前の記者会見で、「近畿財務局の職員がお亡くなりになったことについては、謹んでご冥福を申し上げる。決裁文書の改ざんなどについては、すでに一昨年の財務省の調査報告書で事実関係が詳細に書かれており、関与した職員に対して厳正な処分が行われている。また、検察の捜査も行われ、結論が出ていると承知している」と述べました。