用対策や行政手続き
簡略化など論戦 参院決算委

参議院決算委員会では午後の質疑で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた雇用対策や、押印などを必要とする行政手続きの簡略化などについて論戦が行われました。

この中で、立憲民主党の長浜参議院議員会長は新型コロナウイルスに関する政府の一連の対応について、「後世の科学者なり関心がある方々に、あの時どういう対応をしたのかを残していくことは大変重要だ」と述べ、公文書として残すよう求めました。

これに対し、安倍総理大臣は「今回どういうことがあり、どういう課題があったのか検証し、次のパンデミックに生かしていただきたい。その意味において、私たちもしっかりと記録に残していく責任がある。ガイドラインに沿ってしっかりと残していきたい」と述べました。

公明党の宮崎勝氏は「コロナ感染症の影響で就職氷河期世代の就職支援が大変心配されている。新卒者への支援も必要だが、就職氷河期世代に対する支援も必要だ」と指摘しました。

これに対し、安倍総理大臣は「就職が厳しい環境にあっても、就職氷河期世代の正規雇用を3年間で30万増加させるとの目標を堅持し、感染拡大の防止にも留意をしながら、あらゆる支援策を講じ就業を促進していく。さらに力を入れて取り組む」と述べました。

日本維新の会の柴田巧氏は行政手続きの見直しについて、「書面主義、押印主義、対面主義が直らないと、多大な時間とコストがかかる。感染拡大を受けた緊急措置にとどめず、恒久的な措置にすべきだ」と指摘しました。

これに対し、安倍総理大臣は「今回の感染症対応でテレワークが普及したが、未来を見据えながら、この流れを一時的なものではなく、一層加速していきたい。そのためにも、書面、押印、対面を徹底的に削減することが不可欠で、今回の緊急対応を速やかに実行に移していくことはもとより、恒久化に向けて取り組んでいく」と述べました。

共産党の田村政策委員長は「休業者が失業者にシフトしてしまうのか、契約社員や派遣社員が大規模に切られてしまうのかの瀬戸際だ。特に大企業が内部留保や雇用調整助成金も活用して雇用を守るよう、経済界に強力に要請すべきだ」と求めました。

これに対し、安倍総理大臣は「雇用を守っていくことが経済における政治の最大の責任だ。雇用調整助成金などを活用して雇用を守っていただきたいとお願いをしているが、労働者の方が申請できる新たな制度なども多くの方々に利用していただきたい。雇用は守り抜き、その先の経済回復に備えていきたい」と述べました。

また、持続化給付金をめぐり野党側が前田 中小企業庁長官と、事業を受託した社団法人の幹部との関係が不適切ではないかと追及したのに対し、安倍総理大臣は「公務員の倫理規程の何に反しているかを具体的に言わないで、ただ一方的に批判するのはどうか。民間人と官僚が会うことは、ままあることで、いろいろな話を伺わなければ民間の実情が分からない」と述べました。