2次補正予算が成立
事業者の賃料負担軽減など

新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、事業者の賃料の負担軽減や雇用調整助成金の拡充などが盛り込まれた第2次補正予算は、参議院本会議で採決が行われ、賛成多数で可決・成立しました。

今年度の第2次補正予算案は12日、参議院予算委員会で、安倍総理大臣とすべての閣僚が出席して質疑が行われたあと、共産党を除く賛成多数で可決されました。

このあと参議院本会議が開かれ、採決が行われた結果、自民・公明両党のほか、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会などの賛成多数で可決・成立しました。

第2次補正予算は、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、事業者の賃料の負担軽減や雇用調整助成金の拡充などが盛り込まれ、追加の歳出は一般会計の総額で31兆9114億円と、補正予算としては過去最大となっています。

首相「世界最大の対策で日本経済守り抜く」

安倍総理大臣は総理大臣官邸で記者団に対し「100年に1度の国難と言われる中にあって、先に成立した補正予算と合わせて事業規模230兆円、GDPの4割にのぼる世界最大の対策で、日本経済を守り抜いていく」と述べました。

そのうえで「求められているのはスピード感であり、休業中の人に対する人件費の助成や家賃補助などの支援を1日も早く届け、事業の継続と雇用、生活を守り抜いていく考えだ」と強調しました。

さらに安倍総理大臣は「医療提供体制や検査体制を拡充・強化し、ワクチンや治療薬の開発も進めていく。感染状況が落ち着いてきたこの機を生かし、次なる流行に対して、万全の備えを急いでいく考えだ」と述べました。

そして「緊急事態宣言を解除してから、ほぼ3週間が経過したが、社会経済活動を再開していく動きも本格化している。今回の補正予算は、コロナの時代に新たな日常をつくりあげていくための予算でもあり、厳しい状況は続くが、国民の皆さんの協力をいただきながら乗り切っていきたい」と述べました。

また安倍総理大臣は、持続化給付金について「大切なことは、今必要としている方々にスピード感を持って届けていくことだ。むだづかいがあってはならず、効率的でなければならず、厳正に執行していくことは当然のことだ」と述べました。

麻生財務相「第3次補正予算 検討段階にない」

麻生副総理兼財務大臣は、参議院の財政金融委員会で、日本経済の現状について、「極めて厳しい状況ははっきりしているが、底を打ったという感じはする」と述べました。

そのうえで、感染拡大のさらなる影響に備え、第3次補正予算の編成を考えているかと問われたのに対し、「第2次補正予算での対策の結果をみたうえで判断するもので、まだ第3次補正予算をどうのこうのという段階にはない」と述べました。

また、今年度の国債の新規発行額が過去最大の90兆2000億円に達したことについて、麻生副総理は「国債の金利が超低金利でおさまっているのは市場の信認が高かったからで、財政の持続性を確保しないと将来への責任が持てない」と述べ、財政運営が一段と厳しくなる中で財政の持続性を確保することが重要だという認識を示しました。

自民 伊吹氏「3次補正予算案は作らなくていいよう努力」

自民党の伊吹 元衆議院議長は派閥の会合で「いま『コロナのため』と言われると、なかなか抵抗できない雰囲気があるが、予算がみんな使い切れるのか分からないようなものが結構あるように思う。かなり急いで作ったきらいがある。パンデミックがまた来た時のために、10兆円という予備費を用意しているのだから、第3次補正予算案は作らなくていいよう、努力していかないといけない」と述べました。

維新 馬場氏「予備費多めは自然な流れ」

日本維新の会の馬場幹事長は記者会見で、「本来、国会の会期を延長すべきだと思うが、延長しないという状況であれば、予備費を多めに積むことは自然な流れだ。感染状況が落ち着いている今こそ、第2波に備えるため、医療用のマスクや防護服などの資材の確保に加え、ICU=集中治療室を備えた国立のセンターを関東と関西に設置すべきだ」と述べました。