九州「クラスターこれ
以上起きると解決困難に」

北九州市では、救急医療を担う3つの医療機関で新型コロナウイルスの集団感染が確認され、救急患者の受け入れを停止しています。市の救急医療を統括する医師は「これ以上クラスターが起きると市内だけで解決するのが難しくなる」として危機感を強めています。

北九州市では3日までに救急医療を担う3つの医療機関で集団感染が確認されています。

中でも、小倉北区の北九州総合病院は、市内に2つしかない重篤な患者を受け入れる「3次救急」の医療機関の1つで、八幡西区の産業医科大学病院は高度な医療を提供する市内で唯一の「特定機能病院」に指定されています。

市によりますと、これらの病院で救急患者の受け入れを停止したため、周辺のほかの病院への搬送が急増しているということです。

北九州市の感染症対策アドバイザーや地域の救急医療の協議会の会長を務める市立八幡病院の伊藤重彦院長は「学校の休校や企業の自粛によりけがや労災が一時的に減ったことで、1月から先月までの救急搬送は前の年より2500件少なく、そのため救急医療の現場もなんとか対応できていた」として、すでにギリギリの状況にあると指摘しています。

そのうえで、「今後、社会活動が活発になって救急搬送がもとの水準に戻り、これ以上クラスターが起きると北九州市内の病院だけで解決するのは難しくなる」と述べ、危機感を強めています。

伊藤院長は「今のうちに近隣の医療機関の協力を得て市外への搬送の道筋を立て、余裕を持って受け入れられる体制を作りたい」として周辺の自治体と連携しながら救急医療の体制を維持していきたいとしています。

また、市民に対しては「軽症の場合はかかりつけ医を受診するなどして救急病院の負担が減るよう協力してほしい」と呼びかけています。

救急外来ある全病院に患者受け入れ要請

北九州市で3日までに集団感染が確認された小倉北区の北九州総合病院と門司区の門司メディカルセンター、それに八幡西区の産業医科大学病院は救急医療を担っていますが、現在、救急患者の受け入れを停止しています。

市によりますと、これまで肺炎とは関係の無い症状で搬送された救急患者の治療にあたった医療スタッフが感染したケースがあったことなどから、ほかの病院の中には感染を懸念して救急患者の受け入れを制限するところがあるということです。

このため市は、地域の救急医療体制がひっ迫するおそれがあるとして、医師会と連名で救急外来がある市内22の病院すべてに対し、感染防止策を徹底したうえで患者を受け入れるよう文書で要請しました。

また市は、市外の医療機関にも北九州市の患者を受け入れるよう要請しています。

北九州市地域医療課は「市内の救急病院からは、すでに受け入れ態勢はひっ迫し始めているという声があがっている。こうした状況を避けるために市としても可能なかぎり対応していきたい」としています。

新たに6人の感染確認 13日連続

北九州市では4日新たに6人の新型コロナウイルスへの感染が確認され、北九州市での感染確認は13日連続で、合わせて130人となりました。6人はいずれも感染経路不明で、市は感染予防の徹底を市民に呼びかけています。

北九州市によりますと、新たに感染が確認されたのは、50代から80代の男女、合わせて6人です。

6人は、入院中の発熱や、発熱のために病院を受診したことなどがきっかけで検査を受けて感染が確認されたということで、いずれも感染経路が分かっていません。

これでこの13日間に北九州市で感染が確認された130人のうち感染経路不明の人は49人になりました。

市は、手洗いやマスクの着用など感染予防の徹底を市民に呼びかけています。