九州 小学校クラスター
発生 体調確認徹底を通知

北九州市では、31日までに同じ小学校に通う5人の児童が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、市は、集団感染が発生したとしています。このほか市内では、別の小中学校でも児童、生徒の感染が確認されていて、市の教育委員会は、小中学校などに対し、児童や生徒の検温や体調確認などを徹底するよう通知しました。

北九州市では、31日新たに12人の感染が確認され、このうち4人は、小倉南区にある守恒小学校の児童です。

この小学校では、先月28日に別の児童の感染が確認されていて、4人と同じクラスであることから、北九州市は、この小学校で集団感染が発生したとしています。

市内の小学校と中学校では、ほかにも合わせて3校で児童・生徒の感染が確認されていて、市の教育委員会はこれらの学校を臨時休校にしています。

このほかの学校については、今のところ休校にする予定はないということですが、児童・生徒の感染確認が相次いでいることを受けて、市の教育委員会は31日夜、小中学校などに対し、児童や生徒の検温や体調確認を徹底するよう通知しました。

北九州市保健福祉局の永富秀樹局長は、「どこでも感染リスクがある状況なので、感染した児童や生徒をはじめ、患者に対して、差別や偏見、いじめなどを行わないようお願いしたい」と呼びかけています。

一方、北九州市で、31日までの9日間に感染が確認された97人のうち34人は感染経路が分かっていません。

こうした状況を踏まえて、福岡県の小川知事は30日、加藤厚生労働大臣に、感染の有無を短時間で調べることができる「抗原検査」の検査キットを福岡県に優先的に供給するよう要請し、県内の感染症指定医療機関などに検査キットが配布されることになりました。

感染確認の児童が通う小学校で消毒作業

北九州市では、30日、小倉南区の葛原小学校に通う男子児童1人の感染が確認されました。これを受けて市の教育委員会は、31日からこの小学校を閉鎖し、委託を受けた業者が教室の机やいすなどの消毒作業を行いました。

市の教育委員会によりますと、葛原小学校は1日から臨時休校となり、教職員全員の出勤も取りやめるということで、授業を再開する時期は現時点で決まっていないということです。

保護者2人が感染の保育園でも消毒作業

北九州市の保育園に通う園児の保護者が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたことを受けて、31日、この保育園の消毒作業が行われました。

新型コロナウイルスの感染確認が相次いでいる北九州市では、小倉南区の葛原保育園に通う園児の保護者2人の感染が30日までに確認されました。

市によりますと、2人はクラスターが発生した「北九州総合病院」の医療スタッフで、29日までの間、園児の送り迎えのために保育園を訪れていたことがわかったということです。

このため保育園から委託を受けた業者が31日、保育室や事務室など園内のすべての場所を消毒しました。

この保育園は6月1日から臨時休園となりますが、現時点で再開の時期は決まっていないということです。

新たに119の施設を再び臨時休館

北九州市は、今月28日から再び臨時休館とした小倉城など43施設に加えて、緊急事態宣言の解除後に順次、再開していた美術館や図書館など新たに119の市の屋内施設を31日から来月18日まで臨時休館としました。

このうち、戸畑区にある「北九州市立美術館本館」は、今月19日におよそ1か月半ぶりに再開したばかりでしたが、わずか10日余りで再び休館することになり、美術館の入り口には、休館を知らせる貼り紙が掲示されていました。

北九州市立美術館の宮本真彦普及係長は「非常に残念に思っている。次に再開したときに精いっぱい、おもてなしができるよう、準備に努めていきい」と話していました。

また、今後の再開時期について北九州市では、市内の感染状況などを踏まえて検討するとしています。