院憲法審査会
国民投票法めぐり自由討議

衆議院の憲法審査会が今の国会で初めて開かれ、国民投票法をめぐって自由討議が行われました。与党側は、継続審議になっている国民投票法改正案を早期に採決するよう求めたのに対し、野党側は、国民投票に伴うテレビ広告などの規制について優先的に議論すべきだと主張しました。

今の国会で初めて開かれた衆議院憲法審査会では、憲法改正の手続きを定めた国民投票法をめぐって、与野党の議員による自由討議が行われました。

この中で、与党側の筆頭幹事を務める自民党の新藤元総務大臣は、継続審議になっている国民投票法の改正案について、「早急に質疑・採決を行い、結論を得るのは当然のことだ。政局から離れ、国民のための憲法論議を深めるという審査会の責任が果たされるよう努力していきたい」と述べ、早期の採決を求めました。

一方、野党側の筆頭幹事を務める立憲民主党の山花憲法調査会長は、国民投票に伴うテレビ広告などの規制について、「賛成派と反対派の資金量の多寡によって、国民投票の結果に影響が出るおそれがある。国民投票法の改正にあたっては、公正さを担保する議論を行うことを求めている」と述べました。

また、公明党の北側憲法調査会長は、国民投票法改正案の速やかな成立を求める一方、広告の規制については各党による自主規制が望ましいとして、審査会に検討委員会を設置して協議すべきだと提案しました。

これに先立つ幹事会で、与党側が来週再び審査会を開きたいと提案したのに対し、野党側は、28日の議論の結果を見極めたいなどとして折り合わず、引き続き協議することになりました。

官房長官「与野党で建設的な議論を」

菅官房長官は午前の記者会見で「憲法審査会の場で、各党がそれぞれの考え方を示したうえで、与野党の枠を超えて建設的な議論を行っていただきたい。政府としては、各党・各会派の議論を見守っていきたい」と述べました。

自民 新藤氏「野党との合意に努力」

新藤元総務大臣は、記者団に対し、国民投票法の改正案について、「審議を行えば、採決するのは当然のことだ。野党との合意を得なければならないので、努力を続けたい。採決を行ったうえで、CM規制の議論に入っていく」と述べました。

自民 石破氏「議論喚起必要」

衆議院憲法審査会に出席した自民党の石破元幹事長は、記者団に対し、「国民投票法改正案を成立させるのは当然のことだが、CM規制をどうするかなど議論を少しでも前に進めないと、国民に対する不作為になりかねない。新型コロナウイルスへの対応にしても、検察の在り方にしても、最終的には憲法に行き着くわけで、議論を喚起する必要がある」と述べました。

立民 山花氏「国民投票のルールの公正さが大事」

立憲民主党の山花憲法調査会長は、記者団に対し「CM規制の議論が必要なのは、国民投票のルールの公正さが何より大事だからだ。国民投票を行っても、どちらかに有利だったということになれば、憲法に対する国民の意識にも影響が出る」と述べました。

そのうえで、与党側が国民投票法改正案の早期採決を求めていることについて、「きょうの審査会では、まだ意見を言いたい委員がいたので、今後どうするかは与党と協議することになる」と述べました。