問看護「ウイルス運ぶ
かも…」マスクなど足りず

緊急事態宣言が解除されたあとも感染を防ぎながら患者のケアを続けていくことが求められる訪問看護の現場では、マスクなどの衛生用品が不足する中、不安と緊張が続いています。

東京 荒川区の訪問看護ステーション「つばさ」では、6人の看護師がおよそ40人の患者の自宅を訪問してケアに当たっています。

患者たちは重症化するリスクが高いことから、看護師たちは常に「自分たちがウイルスを運んでいるかもしれない」という緊張感やストレスを感じながら仕事に当たっています。

患者のもとを訪問する際には、必ずマスクや手袋、予防衣を着用し、手洗いやアルコール消毒を徹底してきました。

訪問看護の現場はいまだに衛生用品の不足に悩まされていて、マスクは1軒訪問するごとに新しいものに替えるのが望ましいのに、備蓄が少ないため、丸1日同じものを使い続けなければならない時もあります。

予防衣は1軒ごとに着替えていますが、使い捨てにはできず、毎日洗って繰り返し着用しているということです。

また事業所内の感染対策も大きな負担となっています。

机と机の間を透明なシートで仕切り、看護師が集まる朝の会議を取りやめたうえで、看護師が事業所に立ち寄らなくても患者の情報を共有できるよう電子カルテシステムを導入しましたが、10万円を超える初期費用に加え、毎月およそ10万円の費用がかかるため、経営を圧迫しています。

代表の松延美由紀さんは「経済的な負担は大きいですが、事業継続のためにはしかたありません。宣言が解除されても、第2波、第3波の可能性を考えると、まだまだ先が見えません。感染してしまうと命取りになる患者さんが多いので、終息の日を心待ちにしながら、モチベーションを保って頑張っていきたいです」と話していました。