退伺提出も「総理から
強く慰留された」森法相

東京高等検察庁の黒川検事長が緊急事態宣言の中、賭けマージャンをしていた問題について、森法務大臣は「国民に憤りと不安を与えたことをおわび申し上げる」と陳謝したうえで、引き続き大臣としての職責を果たしていく考えを示しました。

東京高等検察庁の黒川弘務検事長は、緊急事態宣言が出されている中で、賭けマージャンをしていた問題をめぐり、21日、辞表を提出しました。

これについて、森法務大臣は記者会見で「黒川検事長の今回の行動は甚だ不適切であり、強い遺憾の意を覚える。国民の皆様に憤りと不安を与えたこと、検察や行政に対する信頼を損ねたことに対して、法務大臣としておわびを申し上げる」と陳謝しました。

そのうえで、みずからの進退伺を安倍総理大臣に提出したことを明らかにし、「安倍総理からは『検察の損なわれた信頼を回復するために引き続き、職務にあたってもらいたい』と強く慰留された。私としても非常につらい道ではあるが、新型コロナウイルスの感染拡大下において法務行政を停滞させることなく進め、検察を立て直さなければならない」と述べ、引き続き大臣としての職責を果たしていく考えを示しました。

菅官房長官「責任痛感の表れでは」

菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で「黒川氏の後任人事は、法務省で検討していると承知している。森法務大臣には引き続き法務行政に関する職務を全うし、検察の信頼回復に努めていただきたい」と述べました。

また、森大臣が、みずからの進退伺を安倍総理大臣に提出したことについて「詳細は承知していないが、申し入れがあったということは森大臣が責任を痛感していることの表れではないかと思う。総理は、引き続き、森大臣に職務を全うしてもらいたいという思いから慰留をされたと思う」と述べました。

共産 田村氏「法相をやめさせなければおかしい」

共産党の田村政策委員長は記者会見で、「進退伺を提出した森法務大臣を安倍総理大臣が慰留したというが、ありえないことだ。不適切な人物について前例のない定年延長をした法務大臣は辞めさせなければおかしい。森法務大臣と安倍総理大臣の責任を徹底的に追及しなければならず、衆参両院の予算委員会で集中審議を開くべきだ」と述べました。