没者遺骨取り違え問題
再発防止策を公表 厚労省

戦没者の遺骨取り違え問題を受けて、厚生労働省は遺骨の科学的な鑑定を専門的に行うセンターを新たに設置するなど、遺骨収集の事業を抜本的に見直す再発防止策を公表しました。厚生労働省は専門的な人材の確保が今後の課題だとして、育成を進めるとしています。

戦没者の遺骨収集をめぐっては、厚生労働省が取り違えの疑いを把握しながら、長年放置していたことがNHKの取材で明らかになり、厚生労働省の専門家会議が事業の見直しに向けた最終的な提言を今月14日にまとめています。

これを受けて厚生労働省は、これまでの遺骨収集や鑑定の在り方を抜本的に見直す再発防止策を取りまとめて公表し、21日開かれた専門家会議で報告しました。

それによりますと、取り違えを防ぐためDNA鑑定の前に遺骨を現地で焼いてから日本に持ち帰っていたこれまでの方法を取りやめ、DNA鑑定でもこれまで行っていた個人の特定だけでなく日本人の可能性が高いかDNAのグループを確認するということです。

また、厚生労働省に遺骨の科学的な鑑定を専門的に行うセンターを新たに設置し、10人ほどの職員をほかの業務との併任で配置するほか、外部の専門家を非常勤として雇用するということです。

さらに、幹部も参加する事業の統括チームの会合を定期的に開き、不都合な問題を含む情報の共有を徹底するとしています。

厚生労働省は、遺骨の収集などにあたる専門的な人材の確保が今後の課題だとして、育成を進めるとしています。