ともな法治国家とは
言えない」裁判官が政府批判

国会で審議されている検察庁法の改正案について、仙台高等裁判所の裁判官が13日、民放のラジオ番組に出演して批判しました。現職の裁判官がメディアで政府を批判するのは極めて異例です。

仙台高等裁判所の岡口基一裁判官は13日、KBS京都のラジオ番組に電話で出演し、検察庁法の改正案について、およそ45分間にわたって自身の見解を述べました。

この中で岡口裁判官は経緯を解説したうえで「検察官が内閣の顔色をうかがいながら仕事をするようになると危惧される。法解釈の変更を口頭の決裁で済ませるなど、まともな法治国家とは言えない」などと批判しました。

中立性を求められている現職の裁判官がメディアに出演し、政府を批判するのは極めて異例です。

岡口裁判官はNHKの取材に対し「法案が大変複雑なため、内容を正確に理解したうえで議論してもらいたかった。裁判官が積極的に政治運動に参加することは許されていないが、法案の問題点を説明することは禁じられていない」と話しています。

岡口裁判官はこれまでも著書やSNSで積極的に情報発信を行っていますが、おととしには、ツイッターへの書き込みで裁判官の品位をおとしめたとして、最高裁判所から戒告の懲戒処分を受けました。