葉県 集団感染の高齢者
施設で2人死亡を公表

千葉県は県内で新型コロナウイルスの集団感染が発生している2つの高齢者施設で、今月に入ってそれぞれ入所者1人ずつが死亡していたことを明らかにしました。

千葉県内で入所者などの集団感染が確認されている松戸市の「あきやまの郷」と、市川市の「市川ゆうゆう」の2つの介護老人保健施設では、先月末までに入所者合わせて17人が亡くなりました。

その後の施設の状況について15日、千葉県は会見を開き、今月に入って、それぞれの施設で入所者1人ずつ合わせて2人が死亡したと明らかにしました。

県の説明では2人とも感染が確認されたあとも、施設内にとどまって治療を受けていたということです。

2つの施設の入所者で亡くなった人は19人となり、県内で新型コロナウイルスに感染して死亡した人の半数近くに上っています。

施設には感染症対策に詳しい看護師が派遣されるなど対応が行われていますが、千葉県は「いずれの施設も収束に向かっていると認識しているが、引き続き感染拡大防止の徹底を図りたい」としています。

約120人集団感染の障害者施設 全員陰性に

千葉県東庄町の障害者福祉施設「北総育成園」では、3月末以降、入所者54人、職員40人、家族や通所者など27人の合わせて121人について、新型コロナウイルスへの感染が確認されました。

この施設では、障害の特性から入院が難しい入所者もいて、多くの人が施設内にとどまったまま治療を受けていましたが、千葉県によりますと、このうち現在も施設にいる入所者全員の50人について、検査で陰性が確認されたということです。

また、感染した職員全員の陰性も確認されたということです。

これを受けて、県は14日、現地の対策本部を解散しました。

対策本部長を務めた千葉県健康福祉部の石出広次長は「危険な区域と安全な区域を分けるのが大変だった。感染症の専門ではない介護職員にとっては、緊張を強いられるなかでの対応になった」と振り返りました。

この施設では、感染した入所者のうち2人が入院先の医療機関で亡くなったほか、2人が今も入院中で、千葉県は、国や施設を設置している船橋市などとともに、集団感染が起きた経緯や、その後の対応を検証することにしています。