月3000人程度 抗体
検査実施へ 大阪 吉村知事

大阪府の吉村知事は、府内での新型コロナウイルスの感染の広がりの実態を把握するため、来月、3000人程度の府民を対象に、これまでに感染したことがあるかを調べる「抗体検査」を実施することを発表しました。

新型コロナウイルスに感染したことがあるかどうかを調べる抗体検査について、厚生労働省は東京・大阪・宮城の3か所で大規模な検査を実施する方針です。

これを受けて大阪府の吉村知事は15日、3000人程度の府民を対象に抗体検査を実施する方針を発表しました。

検査は府内を4つのエリアに分けたうえで、大阪市内から1000人、それ以外の3つのエリアから2000人を選んで、来月中に検査を実施する方針で、地域での感染状況の広がりや、多くの人が抗体を持つことで感染が広がらなくなる、「集団免疫」ができる可能性などを調べることにしています。

また、吉村知事は、いわゆる「大阪モデル」での基準を満たしたことを受けて、16日の午前0時から、休業要請を段階的に解除することについて「市中のウイルスがなくなったわけではないので、事業者は感染防止のマニュアルをぜひ守ってほしい。感染拡大を抑えながら、社会経済活動を取り戻すことを府民との共通認識にしたい」と述べ、施設や店舗の再開にあたっては感染防止策を徹底するよう求めました。

ソフトバンク 抗体検査キット1万個 提供へ

大阪府の吉村知事とソフトバンクグループの孫正義社長は15日の夕方、オンラインでおよそ30分会談しました。

この中で孫社長は「医療用資材の確保のめどがついたので、大阪府や政府、医療機関にどのような形で配分できるか、可能なかぎり要望にお応えしたい」と述べました。

これに対し吉村知事は「最前線の医療従事者を支え、新型コロナウイルスとのたたかいに打ち勝ちたいので、官民を超えて、孫社長のお力を借りたい」と応じ、大阪府がソフトバンクグループから、抗体検査の検査キット1万個を、無償で提供を受けることが決まりました。

吉村知事は会談のあと記者団に対し、「孫社長とは医療従事者をしっかり支えていこう、協力していこうとなった。5000個は医療従事者に、残りは府民の役に立つように使いたい」と述べました。