業要請延長しない自治体
で営業再開への準備も

緊急事態宣言が延長されたことを受けて、各都道府県の多くは休業要請の今後の対応などについて方針を決めています。休業要請を延長しないことを決めた県では、飲食店などが営業再開に向けて準備を進めました。

宮城県では

宮城県は、新型コロナウイルス対策で店舗などに出していた休業要請や営業時間短縮の要請を延長せず、7日に解除します。仙台市内では6日、飲食店が7日からの営業に向けて準備を進める様子が見られました。

宮城県は先月25日から遊興施設や運動・遊技施設、それに劇場などを対象に休業を要請しているほか、飲食店に対しても営業時間を午前5時から午後8時の間に短縮するよう要請していました。
仙台市青葉区のラーメン店、「だし廊」では要請に従って営業時間を短縮したほか、大型連休中は自主的に営業をやめていたということで、6日はおよそ1週間ぶりとなる7日の再開に向け、消毒液の設置やスープの仕込みなどの準備を進めていました。

ラーメン店の原田佳和社長は「街に人がいなくなり寂しい状況が続いていたので、今後、お客様が戻ってきてくれればうれしいです。ただ、感染のリスクもあるので、お客様が感染されないよう注意して営業を再開したいです」と話していました。

一方で、休業要請解除の賛否について街の人の意見は分かれていました。

このうち仙台市の60代の女性は「家の中にこもる日が続いたので助かります。極端に生活は変わらないと思うが利用できるお店などは利用したい」と話していました。

また、仙台市の40代の男性は「学校の休校は今月いっぱいまでなのでそれより先に休業要請を解除するのは早かったのではないかと思います。北海道ではいったん解除したあとに感染者が増えていたので当面の外出はまだ避けた方がいいのかなと思います」と話していました。

山口県では

山口県は緊急事態宣言の延長を受けて5日、対策会議を開き、県内で感染が急速に広がっている状況にはないとして、遊技施設などを対象にしていた休業要請をパチンコ店を除いて7日以降、行わない方針を示しました。

これを受けて、先月23日から臨時休業していた宇部市のボウリング場、「パークレーン宇部」は7日から営業を再開することを決めました。

6日は休業中は勤務のなかったアルバイトのスタッフも出勤し、レーンを磨いてワックスを塗る機械を走らせたり、ボールを消毒液で拭いたりして、営業再開に向けた準備を進めていました。

営業再開にあたってこのボウリング場では入り口に消毒液を設置し、利用するグループごとに1レーン以上間隔を空けてプレーしてもらうなど、感染対策を徹底するということです。

ボウリング場を運営する会社の本田博照統括部長は「再開が決まりほっとしていますが、感染の収束が見通せない中で営業再開することで施設が感染を広げるきっかけになってはいけないという緊張感もある」と話していました。

新潟県では

新潟県では飲食店の営業時間の短縮要請が7日以降、解除されることになっていて、新潟市内の飲食店の中には、換気をするなど対応をとりながら通常どおりの営業時間に戻すところもあります。

新潟県では5日、バーやカラオケボックスなど「遊興施設」と、スポーツクラブやパチンコ店など「運動・遊技施設」についての休業要請は今月20日まで延長するものの、そのほかの店や施設に対しては感染防止対策の徹底を求めたうえで、7日以降は、休業や営業時間の短縮要請はしないことを決めました。

新潟市中心部で、洋食やビールを提供する料理店では、県の要請に従って午後8時までに営業時間を短縮していましたが、換気をするなど対応をとりながら、7日からは通常どおり午後11時までの営業時間に戻すことにしています。

しかし、店の周辺には新潟県民会館など文化施設も多く演劇や演奏会が再開されないと元の売り上げは当面、期待できないとしてオムライスやから揚げなどテイクアウトにも引き続き、力を入れていく考えです。

料理店「Dr.可児」の店主、広瀬章さんは、「売り上げは6割減となっていて厳しい。営業時間の制限が解除され、われわれだけ営業を戻していいと言われてもどうしたらいいものかというのが正直なところだ」と話していました。

また新潟市中央区にある「新潟・市民映画館シネ・ウインド」では7日の営業再開を前に、6日は受け付けの近くにアルコール消毒液を設置したほか、感染防止に努めるよう呼びかけるポスターを貼っていました。

この映画館には、64の座席がありますが、1回の入場者を20人に制限して、前後左右を1席ずつあけて座ってもらうほか、1日の上映回数も通常は5回か6回のところ、3回に減らすなど、感染防止対策をとることにしています。

映画館の従業員の村山亜紗美さんは、「休業要請が解除されますが、状況が大きく変わったわけではないのでお客様を不安にさせないよう、感染対策をしっかりしながら少しずつ営業を再開していきたい」と話していました。