業要請への対応や学校の
再開は 各都道府県が方針

緊急事態宣言が延長されたことを受けて、都道府県の多くが4日夜から5日にかけて対策本部会議などを開き、休業要請の今後の対応や学校や公共施設の再開などについて方針を決めています。対応は都道府県によって異なりますが、「特定警戒都道府県」以外の自治体を中心に休業要請を延長しないところや県立学校の再開を決めた県もあります。

外出自粛求めない自治体も

緊急事態宣言の延長を受けて「特定警戒都道府県」以外の県の中には、7日以降、外出の自粛を求めない自治体もあります。

このうち、全国で唯一、感染者が確認されていない岩手県では、県をまたいだ移動を極力避けることなどを求めたうえで、7日以降、不要不急の外出の自粛を要請しないほか、鳥取県でも県をまたいだ往来や接待を伴う飲食店への訪問などを除き、「3つの密」を避けて注意を払えば、不要不急の外出の自粛を要請しないとしています。

このほか、滋賀県では今月11日から外出の自粛要請を解除することを決めています。

一方「特定警戒都道府県」に指定されている東京都や埼玉県などでは、生活必需品の買い出しなどを除いた不要不急の外出について引き続き自粛を求めています。

休業要請延長しない自治体も

緊急事態宣言の延長を受けて「特定警戒都道府県」以外の県の中には休業要請を延長しないことを決めた自治体もあります。

このうち岩手県では映画館などに求めていた6日までの休業要請を延長しないことなどを決めたほか、佐賀県ではパチンコ店について、感染症対策や県外からくる客の入場制限を徹底することなどを条件に、休業要請の期間をほかの事業者と同様、6日で終了するとしています。

このほか香川県は、観光客の多いうどん店に対する休業の依頼を6日までとする考えを明らかにしました。

また滋賀県は今月11日以降、商業施設のうち床面積が1000平方メートル以下の個人商店などに対する休業要請を解除します。

さらに青森県は「3つの密」を避けたりマスクを着用したりするなどの協力を県民に要請したうえで、不要不急の外出や繁華街の接待を伴う飲食店の利用については自粛を要請しないとしています。

また、高知県は接待を伴う飲食店への休業要請などを6日までとしたうえで、県民に対しては今月末まで利用の自粛を求めています。

一方で東京都や兵庫県、それに、石川県など「特定警戒都道府県」の多くは遊興施設や飲食店などへの休業要請を今月31日まで延長する予定です。そのうえで東京都は休業などの要請に全面的に応じる事業者に協力金を追加で支給する方針です。

このほか福岡市は県が事業者への休業要請を今月31日まで延長したことを受けて、要請に協力した中小企業などに対し、30万円を上限に家賃の8割を補助する方針を発表するなど独自の取り組みを進める自治体もあります。

一部の県では今月中に学校を再開

緊急事態宣言の延長を受けて、「特定警戒都道府県」以外の一部の県では県立学校を今月中に再開することを決めています。

このうち、岩手県や鳥取県では今月7日から、鹿児島県では今月11日から、それぞれ感染防止対策を講じたうえで、県立学校を再開するとしています。

一方、宮崎県では、県立学校について今月24日まで休校を延長するものの、11日以降は校長の判断で登校日を設けて学習活動を行えるようにするとしています。

新潟県でも今月31日まで臨時休校を延長するものの、週に1回程度の登校日を設けるなど、再開に向けて段階的に登校を増やす取り組みを行う自治体もあります。

博物館や美術館 条件付きで再開も

政府対策本部が4日変更した「基本的対処方針」では施設の使用制限等については、特定警戒都道府県では「社会経済や住民の生活・健康などへの影響を留意し、各都道府県知事が適切に判断する」ことなどが盛り込まれ例として、博物館、美術館、図書館などは感染防止策を取ることを前提に開放することも考えられるとしています。

それ以外の34県では「感染拡大の防止や社会経済活動を維持する観点から地域の実情に応じて各県が判断する」としています。

これを受けて博物館や美術館、図書館などの施設については利用者の制限を行ったうえで、再開する方針を決めた自治体が出ています。

このうち鳥取県では入場者数の制限などをしたうえで今月7日以降、利用できることにしました。

また、徳島県では利用者を県民に限定し、9日から再開するほか佐賀県でも11日以降に感染症対策を徹底したうえで、再開するとしています。

一方、特定警戒都道府県の福岡県では今後感染防止策が適切に行われているかなどを確認したうえで慎重に再開の判断を行うとし、再開時期を明言していないほか、札幌市は今月31日までの休館の検討を指示し、東京都も引き続き休業を要請しています。

条件付きでイベント開催も

政府対策本部が4日変更した「基本的対処方針」ではイベントなどについては、すべての都道府県で、クラスターが発生するおそれがあるものや「3つの密」がある集まりは、引き続き、開催の自粛の要請などを行うとする一方で、特定警戒都道府県以外の34県では、比較的少人数のイベントなどは「感染防止策を講じたうえで、リスクの態様に十分留意し適切に対応する」としています。

これを受けて34県の中には一定の条件の下、イベントの開催に向けた動きが出ています。

鳥取県では今月7日以降、50人以下で、近い距離での会話がないことなどを条件に開催できるとしたほか、滋賀県でも11日以降、50人以下の小規模なイベントについて、感染防止策を講じることを条件に、自粛要請を解除することを決めました。

このほか高知県では規模に応じて10人以上が今月20日まで、50人以上が今月末まで、自粛を求めるとしています。

在宅勤務や時差出勤 引き続きの要請も

「特定警戒都道府県」と指定された自治体を中心に、引き続き在宅勤務や時差出勤などを求める要請や呼びかけが行われています。

このうち「特定警戒都道府県」に指定されている東京都は事業者に対して、出勤する社員の数を削減するため在宅勤務やローテーション勤務などを引き続き求めています。

また、千葉県は職場への通勤については外出自粛の要請の対象から除いたうえで、在宅勤務や時差出勤をこれまで以上に推進してもらいたいとしています。

さらに札幌市では市内の感染状況は全国的にみても危機的だとして、少なくとも今月15日まで外出を控えるよう求めたうえで、市内の出勤者の数を7割削減することを目標とするとしています。

このほか、「特定警戒都道府県」以外の自治体でも仕事で人との接触を削減するため事業者や住民に対する在宅勤務の推進などの呼びかけが行われていて、取り組みが継続される見通しです。