校総体中止「3年生が
部活の成果発揮できる場を」

新型コロナウイルスの感染拡大で、ことしの夏の全国高校総体が中止になったことを受けて、萩生田文部科学大臣は、収束後に3年生が部活動などの成果を発揮できる場を設けられるよう、全国の教育委員会に働きかけを行う考えを示しました。

高体連=全国高等学校体育連盟は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ことし夏の全国高校総体の中止を決め、各都道府県の高等学校体育連盟に対し、安全に部活動を行える状態となった場合は、3年生の成果の発表の場や大会などを設定できないか検討してほしいとしています。

これについて萩生田文部科学大臣は記者会見で、「3年間部活動に熱心に取り組んできた高校生にとって大会は大きな目標で、春の全国大会に続き、夏も中止になったことは残念だ。生徒の目線に立って活躍の場を設けるよう検討を行うことは大変重要だ」と述べました。

そのうえで、萩生田大臣は「各地域での代替となる大会の実現に向けて、近日中に教育委員会に通知を出して協力を依頼するなど、関係団体と連携、協力をはかっていきたい」と述べ、感染拡大の収束後に3年生が部活動などの成果を発揮できる場を設けられるよう働きかける考えを示しました。

また萩生田大臣は、秋以降に出願が始まる大学のAO入試や推薦入試について「大学関係者には、高校の先生からの推薦状をしっかり読み込むことや、面接の機会を作るなど時間をかけた丁寧な対応をしてもらいたい」と述べました。

また、橋本オリンピック・パラリンピック担当大臣は、閣議のあとの記者会見で「部活動に熱心に取り組んできた生徒の皆さんは大変落胆していると思うが、東京オリンピック・パラリンピックを目指す多くのトップアスリートが、前を向こうとSNSなどでメッセージを発信しており、高校生アスリートにも届くことを願っている」と述べました。

そのうえで「今後、安全に部活動が実施できる状況となった場合には、成果の発表の場や大会の設定などを検討するよう各都道府県に要請していると聞いているので、関係者の皆さんに努力していただきたい」と述べました。