望で給付 富裕層は
受け取らない人いるのでは」

政府が経済対策を盛り込んだ補正予算案を組み替えて10万円の一律給付を行うことについて、麻生副総理兼財務大臣は閣議のあとの記者会見で、給付は自己申告に基づいて行われることになるという見通しを示しました。

この中で麻生副総理兼財務大臣は、一律で1人当たり10万円の給付を行うことについて「1人所帯の家庭には、30万円来るはずのものが10万円になってしまうところもあり、ご家庭によって差が出てくるとは思う。スピードをもってやるのが、いちばん大事なので少し時間がかかることになるが、それでも、できるだけ早く5月にはという感じはしている」と述べ、5月には給付を始めたいという考えを示しました。

そのうえで麻生大臣は「今回は要望されるかた、手をあげていただいた方々に給付する。人によって違うだろうが富裕層は受け取らない人もいるのではないか」と述べ、給付は自己申告に基づいて行われることになるという見通しを示しました。

さらに、必要な財源については「10万円かける1億2600万人で12兆6000億円かかる。今までの予算が4兆円で、差額が8兆から9兆円出る」と述べ、赤字国債のさらなる追加発行が避けられないという認識を示しました。

菅官房長官「変更点は丁寧に説明したい」

菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、一律10万円の現金給付について「きょうにも、与党で議論されると承知しており、政府としてはそれを見守りつつ結果を踏まえ制度設計の具体化に速やかに対応していきたい」と述べました。

そのうえで、「きのう『緊急事態宣言』を全国に拡大し、すべての国民に、外出自粛などさまざまな制約をお願いすることになった事態を踏まえ、対象世帯を限定した1世帯30万円の給付に代わり対象を全国民に拡大して、1人10万円を給付する方向で安倍総理大臣から指示があったもので、変更点は丁寧に説明したい」と述べました。

また野党側が補正予算案の組み替えを追及する構えを見せていることについて、「まず与党の議論の結果を見て、補正予算案の最終調整を行うことになるが、変更点を含めて、丁寧に説明していきたい」と述べました。

さらに記者団が「安倍総理大臣は、今月7日の記者会見で、すべての人に給付金を届けるためには3か月程度かかると述べていた」と指摘したのに対し、「2009年に行った定額給付金の実績に基づいて発言した。可能なかぎり速やかに給付を行う必要があると考えており、あらゆる手を尽くしたい。前回の経験があるので、スピードアップできる部分もあるのではないか」と述べました。