事定年延長反対で会見
弁護士などで作る6団体

検察官の定年を段階的に引き上げる検察庁法の改正案の審議が国会で始まるのを前に、弁護士などで作る6つの団体が15日、共同でオンライン会見を開き「法改正は政権による検察官人事への恣意的(しいてき)な介入を広く認めるもので、政治権力が絡む捜査を萎縮させる」などとして廃案を訴えました。

検察官の定年について政府は現在の63歳から65歳に段階的に引き上げ、定年延長については最長3年まで可能にする検察庁法の改正案を国会に提出し、16日から審議が始まる予定です。

これを前に弁護士や学者で作る「社会文化法律センター」や、「自由法曹団」などの6つの団体が15日、共同で会見を開きました。

会見は新型コロナウイルス感染拡大防止のためオンラインで行われ、弁護士らは「法改正は内閣の意向で検事総長など検察幹部の地位を左右することを可能とし、検察の独立を根底から覆すものだ」などと訴えました。

そのうえで「政治権力が絡む事件の捜査を検察官のそんたくで萎縮させる効果をもたらしかねない。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないなかで、この法案を国会で審議する必要は全くない」として廃案を求めました。

会見では検察庁法の改正案や東京高等検察庁検事長の定年延長をめぐって、全国26の弁護士会や弁護士会連合会が反対する声明を表明していることが紹介され、弁護士の1人は「全国の多くの弁護士がこの問題に強い危機感を持っている」と訴えました。