急経済対策 事業規模は
総額108兆円程度の方針

緊急経済対策の事業規模について、安倍総理大臣は、総理大臣官邸で記者団に対し、GDP=国内総生産の20%にあたる総額108兆円程度とする方針を明らかにしました。

この中で安倍総理大臣は「新型コロナウイルス感染症の、経済に与える甚大な影響を踏まえ、過去にない、強大な規模となるGDPの2割にあたる事業規模108兆円の経済対策を実施することとした」と述べました。

そのうえで安倍総理大臣は「大変な困難な状況に直面している家庭や中小・小規模事業者に対し、6兆円を超える現金給付を行う。そして、雇用を守り抜いていかなければならず、無利子融資を民間金融機関に拡大するとともに、前例無き26兆円規模で、納税や社会保険料の支払い猶予を行い、事業の継続を後押しし、雇用を守り抜いていきたい」と述べました。

自民 岸田氏「ドイツと遜色ない 今の段階で最善の対策」

自民党の岸田政務調査会長は記者会見で、「GDPの20%に及ぶもので、世界各国の経済対策を見ても同じような規模で用意している国はドイツくらいしかない。規模だけでなく内容もドイツと比べて遜色ないと感じている。今の段階で最善の対策で、1日も早く実行につなげていきたい」と述べました。

公明 石田氏「野党協力得て早く成立させたい」

公明党の石田政務調査会長は記者会見で、「今までにない規模だ。お金を含め、国民に届けることがいちばん大事なので、野党の協力を得て早く補正予算案を成立させたい。政府・与党でしっかりと力を合わせて難局を乗り切っていきたい」と述べました。

経団連 中西会長「困っているところには迅速にお金を」

政府の緊急経済対策に盛り込まれる中小企業や世帯への現金給付について経団連の中西会長は、6日の記者会見で「困っているところには、迅速にお金を届ける必要がある」と述べました。

この中で、中西会長は「客が来なくなって、キャッシュが回らなくなり、緊急に助けないと食うに困る、倒産してしまう状況だ。ともかく困っているところにはちゃんと迅速にお金を届ける必要があると思う」と述べ、政府の緊急対策に盛り込まれる、売り上げが大きく減少した中小企業や、収入が大幅に減った世帯に対する現金の給付について理解を示しました。

そのうえで中西会長は「単に基準やルールを作るのではなく、実務できちっと展開して、遅れがないようにしてほしい」と述べ、政府に対して迅速に現金が届けられるよう対応すべきだと求めました。

「GDPの2割 相当思い切った」本部会議で首相

総理大臣官邸で開かれた政府の対策本部で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急経済対策が報告されました。

緊急経済対策では1世帯当たり30万円の現金給付を行い、手元に早く届くようみずから申請する方式で行うとしています。

また、給付対象について、感染症の発生前の収入と比べて収入が減少し、年収に換算すると住民税非課税世帯の水準になった世帯や、収入が半分以上減少し住民税非課税世帯の水準の2倍を下回る世帯を対象とするとしています。

また、子育て世帯を支援するため、児童手当の受給世帯に対し児童1人当たり1万円を上乗せするとしています。

さらに、中小企業などを対象にした給付金については、売り上げが半減するなどして事業の継続が難しい場合、中小・小規模事業者などに200万円を、フリーランスを含む個人事業主には100万円をそれぞれ上限に給付するとしています。

このほか、新型コロナウイルスへの効果が期待されているインフルエンザ治療薬の「アビガン」について、年度内に200万人分の備蓄を目指すことも盛り込まれています。

安倍総理大臣は「緊急経済対策の規模は過去最大の108兆円となる。GDPの2割という規模は、諸外国と比較しても相当思い切ったものだ」と述べたうえで、今年度の補正予算案の早期成立を図るとともに、対策を速やかに実行するよう指示しました。