谷区アプリで住民票
「安全上問題」総務相

東京・渋谷区が、AI=人工知能による本人確認を活用し、スマートフォンのアプリだけで住民票などを郵送で取り寄せられるサービスを始めたことについて、高市総務大臣は、安全上の問題があるなどとして、改善を促す考えを示しました。

東京・渋谷区では、今月からスマートフォンのLINEのアプリを使って、本人の顔と運転免許証などの証明書の画像を送れば、AIが本人確認を行って、住民票や課税証明書などを郵送で取り寄せられる全国で初めてのサービスを始めました。

これについて高市総務大臣は、記者会見で、「画像の改ざんやなりすましなど、セキュリティー上の問題があるほか、住民基本台帳法上も問題があると思う」と述べたうえで、渋谷区に改善を促す考えを示しました。

総務省によりますと、自治体がインターネットで住民票などの交付申請を受け付ける場合は、マイナンバーカードなどを使った電子署名で本人確認を行うよう求めているということです。

渋谷区「セキュリティーは高い」

渋谷区経営企画課は、NHKの取材に対し、「本人確認を徹底するために、顔写真を送ってもらう際、顔の向きを指定してその場で撮影してもらうなどの対策を取っている。現在認められている、郵送による申請と比べるとセキュリティーは高い」と話し安全性に問題はないとしています。

そのうえで「総務省が求めている電子署名に必要なマイナンバーカードは、まだ普及率が低く、住民の利便性向上につながらない。総務省は、改善を求めるのではなく、自治体の創意工夫を後押しするため、規制の緩和など支援を行ってほしい」と話しています。