染が収まったあと
大規模な支援策を措置」

菅官房長官は29日沖縄を訪れ、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で売り上げが大幅に落ち込んでいる那覇市中心部の国際通りの商店街を視察したほか、地元の観光業界や経済団体の関係者と意見を交わしました。

この中で、菅官房長官は「何としてもこの場をしのぐことが次のV字回復につながる。伺った意見を実行していきたい」と述べました。

これに対し、地元の関係者からは「好調だった観光業が急激に落ち込み、県の経済全体に大きな影響が出ている」といった指摘や、「沖縄は、企業体力がぜい弱な中小企業が多く、資金繰り支援による雇用維持に全力を挙げてほしい」といった要望が出されました。

このあと、菅官房長官は記者団に対し、雇用の維持に最優先に取り組むとしたうえで、「感染が収まったあとには、沖縄をはじめ、わが国の観光や産業をV字回復させなければならず、全国の皆さんが旅行や飲食店、さまざまなイベントに行きたくなる大規模な支援策を措置したい」と述べました。

那覇空港 第2滑走路に期待 官房長官

那覇空港で2本目となる滑走路の運用開始を記念する式典が開かれ、菅官房長官は、沖縄のさらなる観光振興につながることに期待を示す一方、新型コロナウイルスの感染拡大で深刻な影響が出ている観光などの産業基盤が失われないよう支援していく考えを示しました。

那覇空港で2本目となる滑走路の整備は、国が総事業費およそ2074億円をかけて進めてきたもので、地元の要望を踏まえ、工期を1年以上前倒しして、およそ5年10か月で完成しました。

滑走路は、今月26日から運用を開始していて、29日、那覇空港で記念の式典が開かれ、菅官房長官や赤羽国土交通大臣らが出席しました。この中で、菅官房長官は、沖縄のさらなる観光振興につながることに期待感を示す一方「残念なことに新型コロナウイルスによって大きな影響を受けていることも事実だ。沖縄の観光を中心とする産業基盤が失われないよう、助成金などで支援していく」と述べました。

那覇空港は、滑走路が増えることで、航空機の発着回数が年間13万5000回から24万回に拡大しますが、新型コロナウイルスの感染拡大で現在、国際線のすべての便が運休するなど、深刻な影響が出ています。

このため、政府は、感染が収まったあと、観光産業を基盤とした沖縄の経済を再び活性化できるよう支援していく方針です。