担金「検証委の意見尊重
し支払わない」名古屋市長

愛知県で開かれた国際芸術祭、「あいちトリエンナーレ」に関する名古屋市の検証委員会は、芸術祭の運営方法に問題があったなどとして、市が芸術祭の負担金の一部を支払わないことを容認する報告書をまとめ、これを受けて河村市長は、負担金を支払わない意向を表明しました。

去年開かれた「あいちトリエンナーレ」で、「表現の不自由」をテーマに、慰安婦問題を象徴する少女像などを展示するコーナーが設けられたことを受け、名古屋市は市の負担金の支払いを一部保留し、有識者による検証委員会を設置して議論を進めてきました。

27日の会合では、5人の委員で採決を行った結果、賛成3、反対2と意見は分かれましたが、支払わないことを容認する報告書をまとめました。

報告書では、芸術祭の運営について、危機管理上、重大な事態の発生が想定されたにもかかわらず実行委員会の会長代行の河村市長に知らされなかったとしたうえで、「表現の不自由」をテーマにしたコーナーの一時中止や再開も、実行委員会の会長の大村知事が独断で決定したなどと問題点を指摘しました。

そして市が支払いを保留しているおよそ3300万円の負担金について「不交付という形で市が抗議の意志を表すことは必ずしも不適当とは言えない」と結論づけました。

これを受けて河村市長は、記者団に対し、「検証委員会の意見を尊重し支払わないこととした。次回以降のトリエンナーレへの市の関わり方については、慎重にやっていかなければいけない」と述べ、負担金を支払わない意向を表明しました。