五輪年程度延期を合意
安倍首相とIOC会長

東京オリンピック・パラリンピックをめぐり、安倍総理大臣は、IOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長と電話会談し、1年程度の延期を提案したのに対し、バッハ会長は、全面的に同意する意向を示し、遅くとも来年夏までに開催することで合意しました。

安倍総理大臣は、24日夜8時から、およそ45分間、総理大臣公邸で、IOCのバッハ会長と電話会談を行い、大会組織委員会の森会長や東京都の小池知事、橋本担当大臣らも同席しました。

会談で、安倍総理大臣とバッハ会長は、選手や各国の競技団体などの意向を踏まえ、東京オリンピック・パラリンピックの中止はないということを確認しました。

そして、安倍総理大臣が、「開催国・日本として、現下の状況を踏まえ、世界のアスリートの皆さんが最高のコンディションでプレーでき、観客の皆さんにとって、安全で安心な大会とするためにおおむね1年程度延期することを軸に検討してもらいたい」と述べたのに対し、バッハ会長は、「100%同意する」と述べ、東京大会は延期せざるをえないという認識で一致しました。

そして、安倍総理大臣とバッハ会長は、IOCと大会組織委員会、東京都など、関係機関が一体となり、遅くとも来年夏までに開催することで合意しました。

会談のあと、安倍総理大臣は記者団に対し「今後、人類が新型コロナウイルス感染症に打ち勝った証しとして完全な形で東京大会を開催するためにバッハ会長と緊密に連携していくことで一致した。日本は、開催国の責任をしっかりと果たしていきたい」と述べました。

世界主要メディアも速報

ロイター通信は「安倍総理大臣がIOCのバッハ会長と東京オリンピックを1年程度延期することで合意した」と速報しました。

アメリカのCNNテレビは「オリンピックは新型コロナウイルスの最大の犠牲者だ。日本はすでに多額の費用を費やしていて、複数の専門家は延期によってさらに費用がかかる可能性があると指摘している」と伝えています。

有力紙ニューヨーク・タイムズは「今回の決定は数か月に及ぶ内部の議論や延期を望む各国や世界中の選手からの要望を受けてなされた」と報じました。

また有力紙ワシントンポストは「安倍総理大臣の行動はオリンピックを延期させるための最も重要な一歩だ」としています。

韓国の公共放送KBSは「安倍総理が東京オリンピックをめぐるさまざまな選択肢のうち、『1年程度の延期』を提案したことは新型コロナウイルスの拡散の程度や来年9月の自身の自民党総裁としての任期などを考慮したものと考えられる」と伝えました。

また中国国営の中央テレビも安倍総理大臣の発言の内容を速報で伝えています。