ッカーのように延期
できない”IOC会長

東京オリンピックの延期を求める声が相次いでいることについて、IOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長は、「土曜日のサッカーの試合のように延期することはできない」と述べ、延期を決断する難しさを指摘したうえで、引き続き開催に向けて努力を続ける姿勢を強調しました。

これはIOCのバッハ会長がドイツのラジオ局のインタビューに答えたものです。
この中でバッハ会長は、東京オリンピックの延期を求める声が相次いでいることについて「オリンピックは土曜日のサッカーの試合のように延期することはできない。手続きが非常に複雑で、確かな根拠があってこそ責任を持って決断できる」と述べ、延期を決断する難しさを指摘しました。

そのうえで新型コロナウイルスの感染が拡大していることについて「異常事態で、理想的な解決策はない。オリンピックが取りやめになることは1万1000人の選手たちの夢を壊すことになる」と述べ、引き続き開催に向けて努力を続ける姿勢を強調しました。

「延期が最善」ブラジルオリンピック委員会

ブラジルのオリンピック委員会は21日、声明を発表し、新型コロナウイルスの感染が世界的に広がっていることを受けて、東京オリンピックの開催を1年延期することをIOC=国際オリンピック委員会に求めました。

声明では「世界規模であらゆるスポーツの選手が十分に練習できない環境にあるため、最高の競技レベルを維持するのが困難になっている。延期するのが最善の方法だ」としています。

開催延期を要望 アメリカ陸連

アメリカの陸上競技連盟は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、アメリカのオリンピック・パラリンピック委員会に対して、東京オリンピックの開催延期を働きかけるよう要望しました。

アメリカでは新型コロナウイルスの感染者が1万5000人を超えるなど感染が急速に拡大し、日常生活に大きな影響が出ています。

こうした中、オリンピックのメダリストを数多く輩出してきたアメリカ陸連は、20日、アメリカのオリンピック・パラリンピック委員会に対して、東京オリンピックの開催延期を働きかけるよう求める要望書を提出しました。

翌日、公開された要望書では「世界的な危機の中では、選手たちが安全で適切な環境のもとで練習を行うことはできないだろう。選手たちは多大な重圧とストレス、不安の中にいる。選手たちの精神状態と体の健康は最も重視されなくてはならない」と選手が置かれている状況を説明しています。

そのうえで、「IOC=国際オリンピック委員会へ東京大会の延期を主張することを求める」としています。

アメリカでは来年夏に陸上の世界選手権が開催される予定ですが、要望書では、東京大会の延期の時期については触れられていません。

東京大会をめぐっては、これまでにアメリカ水泳連盟やブラジルのオリンピック委員会が、開催の1年延期を求めているほか、ノルウェーのオリンピック・パラリンピック委員会は世界的な感染拡大を抑えるまで開催すべきではないと主張するなど、開催時期の見直しを求める意見が相次いでいます。

米メディア「延期・中止を」主張相次ぐ

新型コロナウイルスの感染が世界的に広がる中、東京オリンピックについてアメリカの有力紙は、IOC=国際オリンピック委員会などは現実と向き合い、延期または中止すべきだと相次いで訴えています。

このうち『ワシントン・ポスト』は20日、宮城県で聖火の到着式が行われたことに触れ「世界中が歴史的なパンデミックになるおそれがある感染症と闘っているさなかに、オリンピックと日本の当局者たちがあたかも大会を予定どおり開けるかのようにふるまっているのは全く無責任だ」と指摘しました。

そのうえで「大会がウイルスの培養器となりさらなる拡散につながるおそれがある。現実を認めようとしないのは、金と名誉がかかっているからだ」と厳しく批判しました。

『USAトゥデー』は、ほとんどの選手が十分に練習できていない現状を紹介し、「選手たちは大会にただ参加するだけでなく、最高の状態で競技がしたいと願っているが、そのための時間はなくなってきている。あらゆるチャンスが与えられるべきだが、それが不可能だと分かったときは、誠実な対応を与えられるべきだ」と、アメリカのオリンピック・パラリンピック委員会がIOCに延期を働きかけるよう求めました。

また、『ニューヨーク・タイムズ』は18日、「中止せよ。オリンピックを」という見出しで専門家のコラムを掲載し、「新型コロナウイルスについてはまだ多くのことが分かっておらず、世界が不安定な中、オリンピックの開催に固執することは傲慢だ」として大会は中止されるべきだと主張しました。