銀 世界の中央銀行と
協調しドル供給拡充

新型コロナウイルスの感染拡大による金融市場の混乱を抑えるため、日銀は16日朝、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会やヨーロッパ中央銀行など世界の主な中央銀行と協調して市場へのドル資金の供給を拡充すると発表しました。

新型コロナウイルスの感染拡大への懸念で、ニューヨーク株式市場や東京株式市場などでは大幅な株価の下落が続き、世界で金融市場の動揺が続いています。

こうした中、日銀は16日朝、FRB=連邦準備制度理事会やヨーロッパ中央銀行、イングランド銀行、カナダ銀行、スイス銀行と協調して、金融市場へのドル資金の供給を拡充すると発表しました。

日銀など6つの中央銀行はこれまでよりも低い金利で16日からドルを貸し付けます。1週間の貸し付けに加えて、新たに3か月間の貸し付けを行い、金融機関は担保の範囲内ならいくらでもドルを調達できます。金融市場の混乱で投資家の間では、世界で最も取り引きされている主要通貨のドルを手元に確保しておこうと保有する株式や債券などを売る動きが強まり、これが世界的な株安など金融市場の混乱につながっていると指摘されていました。

アメリカのFRBは日本時間の16日朝、臨時の会合を開いて、事実上のゼロ金利政策に踏み切ることを決定しましたが、日銀など世界の主な中央銀行がこれと合わせて金融市場に潤沢にドルの資金を供給することで、市場の混乱を抑えるねらいがあるものとみられます。

英中央銀行総裁「グローバルな流動性を改善」
イギリスの中央銀行、イングランド銀行のカーニー総裁は15日、世界の主な中央銀行が協調して市場へのドル資金の供給を拡充することについて「今回の協調はグローバルな流動性を改善するもので国際的な資金調達におけるひっ迫感の緩和につながる」とする声明を発表しました。

この声明は16日に就任するベイリー次期総裁との連名で発表されました。