事長の定年延長 弁護士
や学者など9団体が抗議声明

東京高等検察庁の黒川弘務検事長の定年延長について、弁護士や学者で作る9つの団体が共同で会見を開き、「延長は違法で検察行政を崩壊させるものだ」として、定年延長の撤回と、黒川氏の辞任を求める抗議声明を発表しました。

東京高等検察庁の黒川検事長は、63歳になる先月で定年となる予定でしたが、政府はこれまでの法解釈を変更して、定年を延長し、黒川氏を次の検事総長に起用するための措置ではないかという見方が出ています。

これについて、弁護士や学者で作る「社会文化法律センター」や「自由法曹団」などの9つの団体が、5日都内で記者会見を開き、共同で抗議声明を発表しました。

声明は「検事総長は、政治権力の検察への不当な介入を防ぐ防波堤で、歴代自民党政権も総長人事に介入することは厳に慎んできた。長年の法解釈を無視し、官邸の独断で行われたもので与党や検察庁の中からも異論が噴出している」と指摘し、定年延長を認めた閣議決定の撤回と黒川氏の辞職を求めています。

会見した海渡雄一弁護士は、「定年延長は違法で、厳正公正、不偏不党を旨とする検察の理念を冒とくし検察行政を崩壊させるものだ。日本の司法と民主主義の根本に関わる重大事で、今後も闘い続ける」と述べました。

この問題について森法務大臣は3日、参議院予算委員会で「まるで官邸の人事介入であるかのような疑念があるが、全く事実無根だ。法務大臣としての責任を持って適切に人事を行った」と述べています。