時休校「生じる課題に
政府として責任をもつ」首相

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、安倍総理大臣は衆議院予算委員会で、全国すべての小中学校や高校などについて、来月2日から臨時休校とするよう要請したことに理解を求めたうえで必要な対策をちゅうちょなく実行していく考えを強調しました。

この中で安倍総理大臣は「ここ1週間から2週間が極めて重要な時期だ。このため、きのうの政府対策本部で、全国すべての小学校と中学校、高等学校、特別支援学校について、3月2日から春休みに入るまで臨時休業を行うよう要請することを決定した。こうした措置に伴って生じるさまざまな課題に対しては政府として責任をもって対応していく」と述べ、理解を求めました。

そのうえで「まさに先手先手でやるべきだろうと判断し、全国一律という判断をした。科学的、学術的観点から詳細なエビデンスの蓄積が重要であることは言うまでもないが、1、2週間という極めて切迫した時間的制約の中で、最後は政治が全責任を持って判断すべきものだと考え、決断を行った」と述べました。

そして「いまが、まさに感染の拡大のスピードを抑制するために極めて重要な時期であるとの認識のもと、政府としては、引き続き、対策本部を中心に情勢の変化を踏まえながら、何よりも国民の命と健康を守ることを最優先に、やるべき対策をちゅうちょなく決断し、実行していく」と述べました。

「収入の減少 政府で対応すべく検討」

また安倍総理大臣は「小学校低学年のお子さんが自宅待機となれば、お父さん、お母さんが会社を休まなければならないことになる。経済界にも、有給休暇を取りやすいよう対応をお願いしているが、中小企業・小規模事業者にとっては、経営上の困難が発生する場合があり、対応も当然考えなければならない」と述べました。

さらに、パートで働く保護者について、「その間、休むことになれば、その時の収入が減少するので、いま、政府において対応すべく検討している」と述べました。

そして、「今後、事態の状況変化を見極めながら仕事を休んだ場合に働く方々が不利になることのないよう、雇用調整助成制度の拡充なども含めて検討を進めていきたい」と述べました。

「学童保育は原則として開所」

安倍総理大臣はいわゆる学童保育について、「感染予防に留意したうえで、原則として開所していただくこととしており、開所時間も長期休暇の時に準じた取り扱いとするなど、可能なかぎり柔軟な対応をお願いしている」と述べ、必要な経費は国が支援していく考えを示しました。

萩生田文科相「クラブ活動や塾は…」

部活動や学習塾の対応について萩生田文部科学大臣は「学校を休むので、クラブ活動も中止してもらうことが望ましい。また塾などは学校を休んだのに、多くの子どもたちが集まってしまったのでは同じことになるので、経済産業省などを通じて趣旨を伝えるようお願いをしている」と述べました。

菅官房長官「自治体と連携し感染拡大防止に取り組む」

菅官房長官は閣議のあとの記者会見で休校要請に伴う対応策の周知について、「文部科学省において、全国の対象となる学校の設置者に対して臨時休業を行うことを要請すべく、本日、都道府県教育委員会などに通知を発出するなど、政府として自治体とともに連携して感染拡大防止に取り組んでいきたい」と述べました。

そのうえで、「きのうの対策本部で安倍総理大臣から発信するとともに、本日の国会でも総理がみずから説明しているが、引き続き、国民の皆さんに丁寧に説明していきたい」と述べました。

一方、記者団から安倍総理大臣が質問に答える機会を設ける考えはないのかと問われたのに対し、菅官房長官は「総理はきょうも国会で答弁している」と述べるにとどめました。

また臨時休校の要請について、「全体の状況を考えたときに、これからの感染拡大を防ぐという判断の中で判断をした」と述べたうえで、北海道で小中学校などの臨時休校の措置が取られて以降、政府内で議論を重ねてきたと説明しました。