康被害最小限に抑える
うえで極めて重要な時期」

新型コロナウイルスの感染の拡大に備えた、政府の基本方針が決定されたことを受けて、加藤厚生労働大臣は記者会見し、国内での健康被害を最小限に抑えるうえで、今が極めて重要な時期だとして、国民に対し、感染予防の取り組みへの協力を呼びかけました。

この中で、加藤厚生労働大臣は「現在、国内の複数の地域で感染経路が明らかでない患者が散発的に発生し、小規模な患者の集団が把握されている。まさに今が、今後の国内での健康被害を最小限に抑えるうえで、極めて重要な時期だ」と強調しました。

そのうえで「1つの患者の集団が次の集団を生み出すことを防止する。患者の増加のスピードを可能なかぎり抑制するとともに、今後の患者の増大に備え、重症者対策を中心とした医療提供体制などの整備の準備期間に当てる」と述べました。

また、加藤大臣は「一部には、特定の人から多くの人に感染が拡大したと疑われる事例がある。また、閉鎖空間で近距離で多くの人と会話するなどの一定の環境下では、せきやくしゃみなどがなくても感染を拡大させるリスクがあるとされる」と指摘しました。

そして、国民に対し、
▼不安から適切な相談を行わずに医療機関を受診しないことや
▼感染しやすい環境に行くのを避けることのほか、
▼手洗いなどの徹底や、
▼かぜの症状がある場合にやむをえず外出する場合には、マスクを着用することなどを呼びかけました。

また、加藤大臣は全国一律での自粛要請を行わないとしてきた、イベントの開催について「患者の集団が確認された地域などでは、関係する施設やイベントなどの自粛を検討していただくこともお願いする」と述べました。

一方、加藤大臣は地方自治体に最大限の支援を行うとして、「クラスター」と呼ばれる小規模な集団感染が発生するおそれがある北海道に感染症専門家の対策チームを派遣したことを明らかにし、ほかの地域でも、集団感染の発生のおそれがある場合には、派遣を検討する考えを示しました。

また、ウイルス検査への公的保険の適用について「切り替えるのなら、相応の検査能力がなければならない。準備の様子を見ながら判断するが、診療報酬の中で対応することも十分考えていい」と述べ、前向きな姿勢を示しました。

政府の対策チームを北海道に派遣へ

北海道で新型コロナウイルスの感染が広がる中、安倍総理大臣は25日、政府の対策本部で北海道からの要請を受け、政府の対策チームを現地に派遣する方針を明らかにしました。