事長の定年延長「口頭
決裁も正式な決裁」森法相

東京高等検察庁の検事長の定年延長をめぐり、法務省が国会に提出した、定年延長が妥当だとする文書について、森法務大臣は、口頭の決裁を経ているとして、正式な決裁の手続きが取られたという認識を示しました。

法務省が国会に提出した、東京高等検察庁の検事長の定年延長が妥当だとする文書について、森法務大臣は、今月20日の衆議院予算委員会で、「必要な決裁は取っている」と答弁しましたが、翌日の予算委員会の理事会で、法務省の担当者は「正式な決裁は取っていない」と述べました。

これについて、森法務大臣は、記者会見で、「文書は、内閣法制局と協議するのにあたって、事務次官まで部内で文書を確認して内容を了解する口頭の決裁を経た」と説明しました。

そのうえで、「決裁には口頭の決裁もあれば文書の決裁もあり、どちらも正式な決裁だと理解している。文書における決裁を取らなければならない場合というのは、決められているわけだが、今回はそれにあたらない」と指摘し、正式な決裁の手続きが取られたという認識を示しました。

自民 世耕氏「最近は定年延長が機動的に行われている」

自民党の世耕参議院幹事長は記者会見で、「昔は定年を守るのが前提だったが、最近は定年の延長が機動的に行われている。人生100年時代で、1億総活躍という中、能力があってやる気がある人には、定年を延長してでも頑張っていただくのが国家公務員の世界でも当たり前になりつつあり、政府はそういう状況変化も踏まえて判断したのではないか」と述べました。

国民 原口氏「つじつま合わせは明白」

国民民主党の原口国会対策委員長は記者会見で、「定年の延長を決めて、後からつじつまを合わせようとしたことは明白で、違法だ。安倍総理大臣は検察官の人事までも支配し、屈服させようとしているが、絶対に認められない。司法が中立性や公正性を問われる事態になれば、日本は法治国家としての基礎を失う」と述べました。