安「37度5分以上の
発熱が4日以上の人など」

新型コロナウイルスの感染拡大を前提とした対策を取る必要があるとして、政府は相談や受診の目安を公表し、患者が重症化するのを防ぐため、相談や検査の体制のさらなる拡充を図る方針です。

新型コロナウイルスをめぐっては、17日も各地で新たな感染者が確認され、感染経路を特定できていないケースも相次いでいます。

政府は、専門家会議が国内発生の早期の段階という認識を示したことを踏まえ、感染者が増加することを前提にした対策を取ることにしています。

具体的には、17日、相談・受診の目安を公表し、かぜの症状や37度5分以上の発熱が4日以上続いている人、強いだるさや息苦しさがある人は、各地の「帰国者・接触者相談センター」に連絡するよう求めています。

加藤厚生労働大臣は「重症化を防ぐため、目安を参考にして適切に相談や受診をしていただきたい」と呼びかけました。

また18日からは、国立感染症研究所や地方衛生研究所、民間の検査会社などを合わせて1日最大でおよそ3800件のウイルス検査が行えるようにします。

ただ感染者がさらに増えた場合、十分対応できるのかという懸念も出ていて、政府は、適切なタイミングで必要な医療が受けられるよう、全国にすでにおよそ730か所設置されている「帰国者・接触者外来」をおよそ800か所に増やすことや、相談センターや検査の体制をさらに拡充することを目指すことにしています。

感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎教授は厚生労働省が新型コロナウイルスの相談と受診の目安を示したことについて「国内の状況が変わってきたことから、重症になりそうな人が円滑に適切な医療を受けられるようにするために必要な措置だ」と話しました。

そのうえで、症状が出て間もない人など今回の目安に該当しないような人については「発熱がつらく、4日も待てないという人もいるはずで、そうした人はかかりつけ医など医療機関を受診してもいいと思う。ただ、念のためあらかじめ電話で連絡し、症状などを説明したうえで医療機関の指示にしたがってほしい」と話していました。

さらに自宅にいる間の過ごし方として「しっかり休息し、安静にしていることが第一だ。万が一感染していた場合でも、家族などにうつさないために、なるべく別の部屋で過ごしたり別のタオルを使ったりなどの対応をしてほしい」と話しました。

そして「発熱の経過がどのようなものだったかという情報は診断に役立つ。こまめに熱をはかって記録しておくことを意識してほしい」と呼びかけました。