療用マスク
買い占めないで」WHO

新型コロナウイルスの感染が広がるなか、WHO=世界保健機関は医療用マスクの需要が、ふだんの100倍に増え医療従事者などに行き渡らなくなっているとして、すべての国や企業に対して、買い占めたり、ため込んだりしないよう求めました。

WHOのテドロス事務局長は7日、スイスのジュネーブにある本部で会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で医療用マスクの需要がふだんの100倍に増え、値段も20倍に高騰していると指摘しました。

そして「医療用マスクを最も必要としている人たちに行き渡らせる必要がある。優先されるべきは医療従事者でその次が感染の症状がある人やそうした人たちの看病をしている人たちだ」と述べました。

そのうえでテドロス事務局長は、「すべての国や企業に対して、公正に、そして理性的に対応するよう求める」と述べ医療用マスクを買い占めたり、ため込んだりしないよう呼びかけました。

WHOは、予防のため家庭用のマスクを着けることは問題ないとしていますが、一般の人までもが医療用マスクを使い始めたことで医療従事者に行き渡らなくなることに懸念を示した形です。

このほかWHOは、医療態勢がぜい弱で診断ができない国々については、長崎大学の熱帯医学研究所のほかアメリカや香港、タイなど、連携している世界15の研究機関でサンプルを受け取り、代わりに診断する態勢を整えていると述べました。