本恵子さん母死去「恵子
さん取り戻せず痛恨の極み」

北朝鮮に拉致された有本恵子さんの母親 嘉代子さんが亡くなったことについて、安倍総理大臣は記者団に対し「元気なうちに恵子さんを取り戻すことができず、痛恨の極みだ」と述べ、拉致問題の解決への決意を改めて示しました。

この中で安倍総理大臣は、有本恵子さんの母親 嘉代子さんが亡くなったことについて「心からご冥福をお祈りしたい。きのう、ご主人に電話をしてお悔やみ申し上げた。ご夫妻とは、父の秘書を務めている時から恵子さんを取り戻そうと、ともに闘ってきたが、元気なうちに取り戻すことができなかったことは誠に痛恨の極みだ」と述べました。

また、安倍総理大臣は拉致問題について「残念ながら小泉総理大臣が訪朝したのち、1人の生還も実現できていない。あらゆるチャンスを逃さないという決意で取り組み、条件を付けずにキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長と向き合う決意だ」と述べました。

そして「家族の皆さんが高齢になる中、みずからの手でお子さんたちを抱き締める日が来るまで、私の使命は終わらないという決意で取り組んでいきたい」と述べ、拉致問題の解決に全力をあげる決意を改めて示しました。

官房長官「政府をあげて全力で行動」

菅官房長官は午後の記者会見で「心よりお悔やみを申し上げ、ご冥福をお祈り申し上げる。お母様の嘉代子さんのご存命中に帰国させることができなかったことは、まさに痛恨の極みだ。ご家族も高齢となる中、1日も早い問題解決に向けて、あらゆるチャンスを逃すことなく、政府をあげて全力で行動していきたい」と述べました。

立民 枝野氏「じくじたる思いだ」

立憲民主党の枝野代表は、党の両院議員懇談会で、「お嬢さんを待ち、長く苦労され、思いが届かず亡くなられたということで、じくじたる思いだ。われわれとしても、政府に対し、口だけではなくて、きちんと拉致問題を前に進められるよう強く求めていく」と述べました。

公明 石田氏「非常に申し訳ない思い」

公明党の石田政務調査会長は、記者団に対し「家族を取り戻すことができていないことは、政治に携わる者として非常に申し訳ない思いだ。われわれも政府を後押しする立場で取り組んでいかなければいけない」と述べました。

共産 志位氏「安倍政権での拉致問題解決は難しい」

共産党の志位委員長は記者会見で「大変無念だったであろうと思う。安倍政権の北朝鮮に対しての『圧力一辺倒』の姿勢が問題の解決を難しくした。安倍政権のもとで拉致問題を解決するのは難しく、政権を代える必要がある」と述べました。