るさと納税訴訟”
泉佐野市の訴え退ける 高裁

ふるさと納税制度の対象から大阪 泉佐野市を除外した総務省の決定は違法だとして市が取り消しを求めた裁判で、大阪高等裁判所は「泉佐野市の寄付金の募集方法は極めて不適切で、除外したことは違法ではない」と述べ訴えを退けました。

ふるさと納税をめぐっては、返礼品競争が過熱したことを受けて法律が改正され、去年6月から返礼品に関する新たな規制が設けられましたが、総務省は大阪・泉佐野市について過去に過度な返礼品で多額の寄付を集めたとして問題視し、制度の対象から除外しました。

市は大阪高等裁判所に取り消しを求める訴えを起こし、裁判で泉佐野市は「法律が改正される前の運用をもとに除外するのは実質的に法律を過去にさかのぼって適用するもので違法だ」と主張していました。

29日の判決で、大阪高等裁判所の佐村浩之裁判長は「返礼品を規制した新たな制度は過熱した競争によって本来の目的と違う悪循環や弊害が生じたため定められたもので、対象とする自治体を決めるうえで過去の運用を考慮することに問題は無い」と判断しました。

その上で、泉佐野市について「地場産品でないものや換金性の高い返礼品による極めて不適切な方法で寄付金を集め、他の自治体に多大な影響を与えた。制度から除外したことは違法ではない」と述べ、訴えを退けました。

これにより泉佐野市が制度に参加できない状況は続くことになりました。

泉佐野市長「判決は受け入れがたい」上告する考え

大阪 泉佐野市の訴えが退けられたことについて、千代松大耕市長は、「泉佐野市の主張を認めてもらった部分がなく、判決は残念で受け入れがたい」と述べ、最高裁判所に上告する考えを示しました。

また、千代松市長は、判決の中で泉佐野市が行った過去の寄付金の集め方が不適切だったと指摘されたことについて、「総務省は加熱した競争を放置していて、『技術的助言』という名の通知のみで押さえようとしていたが、もう少し早い段階で法改正をすべきだった」と述べ、改めて総務省を批判しました。

そのうえで「最高裁の判断が出るまでは見通しは全くわからないが、できるかぎり早期の復帰に努めていきたい」と述べ、ふるさと納税の制度に復帰したいとの考えをにじませました。

高市総務相「主張が認められた」

高市総務大臣は「総務省の主張が認められたものと考えている。今後も各地方自治体の協力や納税者の理解をいただきながら、ふるさと納税制度の健全な発展に向けて、しっかりと取り組んでいく」とするコメントを出しました。