方領土に関する展示に
ロシアが異議

東京の「領土・主権展示館」に新たに設けられた北方領土に関する展示について、ロシア外務省はモスクワの日本大使館の職員を呼び、「前向きな雰囲気を作ろうとする首脳間の合意に反する」と異議を伝えました。これに対し、日本側は国内の啓発などを目的としたものだと説明し、理解を求めました。

内閣官房が運営する東京・千代田区の「領土・主権展示館」は移転・拡張を経て、今月再び開館し、沖縄県の尖閣諸島や島根県の竹島に加えて、北方領土に関する歴史的な資料が新たに展示されています。

これについて、ロシア外務省は28日、モスクワの日本大使館の職員を呼び、「日本側の領土要求は有効だと主張するための、宣伝資料が展示されている」と指摘したうえで、「このような行動は、日ロ間に前向きな雰囲気を作ろうとする首脳間の合意に反する」と異議を伝えたことを明らかにしました。

これに対して、日本大使館は「日本の立場についての正確な理解が得られるよう、国内啓発と発信を目的としたものだ」と説明し、理解を求めたということです。

日本とロシアは、平和条約の締結を目指して会談を重ねていますが、ロシア側が日米同盟に対する懸念をたびたび示すなど、交渉は難航しています。