婦別姓質問に「だったら
結婚しなくていい」ヤジは誰

22日の衆議院本会議で、国民民主党の玉木代表が選択的夫婦別姓の導入を求める質問をした際、自民党議員からとみられる不適切なヤジがあったとして、衆議院議院運営委員会の理事会で、野党側は発言した議員を確認するよう求めました。

衆議院議院運営委員会の理事会で、立憲民主党の理事は22日の本会議の代表質問で、国民民主党の玉木代表が選択的夫婦別姓の導入を求めた際、「だったら結婚しなくていい」という不適切なヤジがあったと指摘しました。

そして、ヤジを飛ばしたのは自民党の杉田水脈衆議院議員ではないかとして、自民党に事実関係を確認し、党としての見解を回答するよう求めました。

これに対し、自民党の理事は「議事進行を妨げることがあってはいけないが、そのヤジについては確認していない」として、党に持ち帰って報告する考えを示しました。

国民民主党の原口国会対策委員長は、記者団に対し「事実なら看過できない。選択的夫婦別姓の制度がないために、苦しむ人の心を傷つけるものだ。どのような認識で対応するのか自民党の姿勢が問われる」と述べました。

立民 蓮舫氏「時代に逆行 驚くべきヤジ」

立憲民主党の蓮舫参議院幹事長は、会派の会合で「時代に合わせた多様な形の結婚の在り方やいろいろな生き方を保障すべきなのに、憲法に保障されている結婚の自由を否定し、時代に逆行する驚くべきヤジだ。古い価値観に縛られている人に対して『正しくない』と言える国会にしていかなくてはならない」と述べました。

立民 安住氏「国会議員の品位傷つける」

立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し、「国会議員の品位を疑われるような発言は厳に慎むべきではないか。『ヤジは議場の花』と言うが、これは『あだ花』どころか、国会議員の品位を傷つけるもので看過できない」と述べました。

維新 馬場氏「発言は論外」

日本維新の会の馬場幹事長は記者会見で「発言は論外だ。現実の社会に合わせた制度の設計や改革をすることが政治家の仕事であり、自分の思想信条だけで生きていきたいのであれば、学者か評論家になればいいのではないか」と述べました。

共産 志位氏「古い戦前の家族観」

共産党の志位委員長は記者会見で「どれだけ夫婦別姓を望む当事者を傷つけるか全く分かっていない。選択的夫婦別姓は誰も不利益を被ることのない制度だ。『同姓こそが家族だ』という古い戦前の家族観にとらわれている、許しがたいヤジだ」と述べました。

自民 森山氏「ヤジの確認は難しいところも」

自民党の森山国会対策委員長は記者団に対し、「本会議は大事な議論の場で、不規則発言があること自体が問題だ。お互いに気をつけたい」と述べました。

一方で、「ヤジと言われるものはなかなか確認が難しいところもある」と述べました。

また、野党側があったとする「だったら結婚しなくていい」というヤジの内容については、「いろいろな考え方がある。そう思う人もいるだろうし、そういう時代ではないという人もいるだろう」と述べるにとどめました。

自民 竹下氏「軽く言ったのではないか」

自民党の竹下元総務会長は派閥の会合のあと、記者団に対し、「乱暴な言葉だが、売り言葉に買い言葉のような感じで、深く考えずに軽く言ってしまったのではないか」と述べました。

公明 斉藤氏「国会の品位傷つけ残念」

公明党の斉藤幹事長は記者団に対し「事実なら国会の品位を傷つけるヤジで、与党の人間として大変残念だ」と述べました。

自民 杉田衆院議員 取材に応じず

自民党の杉田水脈 衆議院議員に対し、記者団が自民党本部などで「ヤジを飛ばしたのか」と質問しましたが、取材に応じませんでした。