州新幹線 長崎ルート
佐賀県と国「協議を」

九州新幹線・長崎ルートの整備方針をめぐって、佐賀県の山口知事と赤羽国土交通大臣が会談し、今後、新幹線をめぐる課題などについて広く話し合う協議の実現に向けて調整していくことで一致しました。

九州新幹線・長崎ルートの新鳥栖-武雄温泉間の整備をめぐっては、ことし8月、与党のプロジェクトチームが「フル規格」で整備するのが適当だとしたうえで国土交通省に対し、沿線の佐賀・長崎両県とJR九州を交えた4者協議の場を設けるよう求めていますが、佐賀県はフル規格を前提とした議論には応じられないとして強く反発しています。

こうした中、佐賀県の山口知事と赤羽国土交通大臣がことし10月に続き、11日、2回目の会談を行いました。

会談は2人だけで非公開で行われ、山口知事などによりますと、この中で、両者は新幹線をめぐる課題や影響などについて幅広く話し合う協議の実現に向けて今後、事務レベルで調整していくことで一致したということです。

協議の時期や在り方などについては佐賀県の意向を尊重する形で調整が進むものとみられ、整備の在り方についてもフル規格以外の方式を含めて幅広く、課題や問題点、地元への影響などについて、協議される見通しとなりました。

山口知事は、会談のあと、記者団に対し「協議がどういう土俵で行われるかは文書の形で整理が必要だ。これまで在来線を利用して新幹線が走るということで合意しており、この点は今後も訴えていく」と述べました。

国交省鉄道局長「佐賀に最大限の配慮したい」

国土交通省の水嶋智 鉄道局長は佐賀県との協議のやり方について「公開がいいのか、非公開がいいのか、あるいは議題に応じて、誰を呼ぶのかなど、佐賀県のイメージを大切にしたい。佐賀県が協議をしやすいよう国土交通省としては最大限の配慮をしたい」と述べました。

そのうえで「可及的速やかに協議を進めていきたい。『フル規格』が適当だという与党の取りまとめは重いと受け止めている。一方で山口知事は、幅広く議論したいと言っているので、幅広い議論に応じなければならないと思っている」と述べました。