語民間試験 与党は大臣の
延期を評価 野党は追及へ

大学入学共通テストへの英語の民間試験の導入延期をめぐって、与党側は、萩生田文部科学大臣の決断を評価し、公平な受験制度を構築すべきだという考えで一致しました。一方、野党側は、導入が決まった経緯などを徹底して追及する方針を確認しました。

自民・公明両党の幹事長と国会対策委員長らは、6日朝、都内で会談し、相次ぐ閣僚の辞任で見送られた国会審議が再開されたことを受け、来週中に日米の新たな貿易協定の国会承認を求める議案について衆議院通過を図り、会期内の承認を目指す方針を確認しました。

そのうえで、大学入学共通テストへの英語の民間試験の導入延期をめぐって、萩生田文部科学大臣の決断を評価し、公平な受験制度を構築すべきだという考えで一致しました。

自民党の森山国会対策委員長は記者団に対し「できるだけ急いで、国民、特に受験生の不安を取り除き、公正・公平に受験できる体制を確立していくべきだ」と述べました。

立民 安住氏「記述式導入は英語民間試験より問題」

野党側は、国会対策委員長らが会談し、英語の民間試験の導入が決まった経緯が不透明だとして、徹底して追及するほか、国語と数学に導入される記述式の問題も「公平な採点が担保できないおそれがある」として、中止や延期を求める方針を確認しました。

立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「記述式の導入は、英語の民間試験以上に問題だ。疑問に答えられない場合は、制度をやめるか、萩生田大臣自身の進退も含めて考えるべきだ」と述べました。

国民 泉氏「『初年度は制度向上期間』発言も大問題」

国民民主党の泉政務調査会長はNHKの取材に対し「萩生田大臣の『身の丈』という格差を前提にした発言も問題だが、『初年度は制度向上期間だ』と発言したことも大きな問題だ。すべての受験生や保護者にとって試験というのは真剣勝負で、『制度向上期間』では片づけられない。萩生田大臣の責任は厳しく問われるべきだ。現場は混乱し生徒に大きく影響を与えており、文部科学省としては記述式の問題も含めて、生徒たちに公正で安定的な受験制度を提供すべきだ」と述べました。

共産 穀田氏「記述式の導入 中止・延期を」

穀田国会対策委員長は記者会見で、「アルバイトに任せてどういう風に採点をするのか。きのうの衆議院文部科学委員会の参考人質疑で、試験の公平性・公正性が担保できないことが明らかになった」と指摘しました。

そのうえで穀田氏は、「延期は当たり前だが、延期にとどまらず、根本的に見直すことが必要だ。大学入学共通テストそのものの在り方について問うていく」と述べ、野党で連携して導入の中止や延期を求めていく考えを示しました。