院予算委で集中審議
首相は相次ぐ閣僚辞任を謝罪

衆議院予算委員会の集中審議で、安倍総理大臣は、閣僚の辞任が相次いだことを改めて謝罪したうえで、身を引き締めて政権運営に臨む考えを強調しました。また、大学入学共通テストへの英語の民間試験の導入延期について、安倍総理大臣は、萩生田文部科学大臣のもとで課題を克服し、大学入試の在り方を検討していく考えを示しました。

衆議院の予算委員会では、6日午後、安倍総理大臣などが出席して、集中審議が行われました。

この中で、菅原・前経済産業大臣と河井・前法務大臣が、1週間のうちに相次いで辞任した問題について、安倍総理大臣は「私が任命した大臣がわずか1か月余りの間に相次いで辞任する事態となったことは、国民の皆様に大変申し訳なく、任命したものとして責任を痛感している」と述べました。

また、国民民主党の渡辺周氏が「はなから『不承不承の組閣だったのではないか』という声もあるが、適材適所で任命したのか」と追及したのに対し、安倍総理大臣は「適材適所という観点から大臣に任命させていただいたが、こうした結果になったことについては責任を痛感し、国民の皆様におわびを申し上げたい」と述べました。

さらに安倍総理大臣は「1人であればいい、2人であればいい、3人ではダメということではなくて、もとより1人のこうした辞任があってもならないわけであり、まさに行政の遅滞があってはならないと考えている。これからも、しっかりと身を引き締めて臨んでいきたい」と述べました。

一方、日本維新の会の浦野靖人氏が、「任命責任と言うなら、解散して国民の信を問うべきではないか」とただしたのに対し、安倍総理大臣は「今は、夏の参議院選挙で、国民の皆様に約束をした政策の実現に専念すべきと考えており、現時点では考えていない」と述べました。

大学入学共通テストへの英語の民間試験の導入を延期したことについては、萩生田文部科学大臣が「現時点で、経済的な状況や居住している地域にかかわらず、ひとしく安心して試験を受けられるような配慮など、文部科学大臣として自信と責任を持ってお薦めできるシステムにはなっていない。多くの皆さんにご迷惑をかけたことは率直におわびを申し上げたい」と述べました。

安倍総理大臣は「グローバル人材を育成する上では、英語は重要なツールであることから、萩生田大臣のもとで、大学入試の在り方について、これまで指摘された課題を克服できるよう、しっかりと検討させたい」と述べました。

一方、立憲民主党の大串博志氏は「民間事業者が試験を行うことで利便を得る。学校に関して、市場原理や民間といった考え方を過度に入れることは問題だ」と指摘しました。

これに対し、安倍総理大臣は「私は民間がやると悪くなる、民間はよこしまな考えを持っているという考え方はとらない。もちろん公が担わなければいけないものもあるが、民間の活力や知恵を導入していくのは当然あってしかるべきだ。民間事業者などが手を挙げることを、最初から排除しなければいけないという考え方は間違っている」と反論しました。

そのうえで、安倍総理大臣は「萩生田大臣の発言については、撤回の上、謝罪したものと承知をしている。今後もしっかり職責を果たしてもらいたい」と述べました。