手納基地でパラシュート
訓練4回目 自治体が反発

アメリカ軍が沖縄県の嘉手納基地で、ことし4回目となるパラシュート降下訓練を行い、平成8年に別の基地に訓練を集約することで日米が合意して以降、1年間の回数としては過去最多となり、周辺自治体は強く反発しています。

29日夜、アメリカ軍嘉手納基地で、上空を飛行する特殊作戦機から兵士が相次いでパラシュートで降下し、基地内に降り立ちました。

嘉手納基地でのパラシュート降下訓練は、ことしに入って4回目で、平成8年に日米両政府が降下訓練を、伊江島補助飛行場に原則、集約することで合意して以降、1年間の回数としては過去最多となりました。

アメリカ軍はNHKの取材に対し、「伊江島で訓練ができない時は嘉手納基地の使用を認めるという日米の合意にのっとっている」とするコメントを出しましたが、周辺の自治体は、これまでも訓練を行わないよう再三求めてきただけに強く反発しています。

嘉手納町の當山宏町長は記者団に対し、「嘉手納基地での訓練が常態化してきたことに大きな危惧を覚える。実施に妥当性はなく厳重に抗議する」と話していました。

河野防衛相「受け入れられない」

河野防衛大臣は、閣議のあとの記者会見で、在日アメリカ軍から29日に嘉手納基地で降下訓練を行うと連絡があったとしたうえで、「少なくとも、アメリカ側から、しっかりとした説明がなされていないという認識だ。ゆゆしき問題と言わざるをえない」と述べました。

そのうえで、河野大臣は「嘉手納でパラシュートの降下訓練がたびたび行われるということは、明らかに合意に反することで、受け入れることはできない」と述べ、日米両政府で合意した、沖縄の伊江島補助飛行場で訓練を行うよう申し入れたことを明らかにしました。

さらに29日夜、嘉手納基地で訓練が行われたことについて、河野防衛大臣は防衛省で記者団に対し、「『今回は例外的』と言えるような説明が、アメリカ側からは全くない。日米同盟に影響を与えかねない、大変、遺憾な出来事だ。一部の部隊の指揮官が、地元の理解の必要性を理解できないのであれば、上部機関ときちんと話をするしかない」と述べました。