生田大臣「身の丈」発言
で陳謝 「説明不足な発言」

萩生田文部科学大臣は、大学入学共通テストに導入される英語の民間試験について「身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」などと発言したことについて、「説明不足な発言だった。おわびを申し上げたい」と陳謝しました。

大学入学共通テストに導入される英語の民間試験をめぐって、萩生田文部科学大臣は、先週BSフジの番組で、「裕福な家庭の子どもが回数を受けてウォーミングアップできるというようなことがあるかもしれないが、自分の身の丈に合わせて2回をきちんと選んで頑張ってもらえれば」などと発言し、批判の声があがっています。

これについて萩生田大臣は28日、記者団に対し「どのような環境下にいる受験生も自分の力を最大限発揮できるよう、自分の都合に合わせて適切な機会をとらえて、2回の試験を全力で頑張ってもらいたいとの思いで発言したものだった」と述べました。

そのうえで、萩生田大臣は「そうは言っても実際、国民の皆様、特に受験生の皆さんに不安や不快な思いを与えかねない説明不足な発言だった。おわびを申し上げたい」と陳謝しました。

そのうえで萩生田大臣は、「受験生が安心して受験できるよう一つ一つの課題の解決に努めていきたい」と述べ、改めて不安解消に取り組む考えを示しました。

菅官房長官「内閣のメンバーは自覚を」

菅官房長官は午後の記者会見で、菅原・前経済産業大臣が辞任し、萩生田文部科学大臣がみずからの発言について陳謝したことを踏まえ、「改めて内閣のメンバー、一人ひとりが自覚を持って国民の信頼回復に努めていかなければならない」と述べました。

自民 二階氏「陳謝するなら自由にすればいい」

自民党の二階幹事長は、記者会見で、「萩生田大臣から詳しい状況を聞いておらず、私が考えを述べるのは早計だ。ただ、自分で発言して、自分で陳謝するなら、自由にすればいいのではないか」と述べました。

自民 岸田氏「丁寧な説明を」

自民党の岸田政務調査会長は、さいたま市で記者団に対し「大学入試に関わる問題は、幅広い国民にとって大きな関心事だ。萩生田大臣には、みずからの思いについて丁寧な説明を心がけてもらいたい」と述べました。

国民 玉木氏「『説明不足』では済まされない」

国民民主党の玉木代表は兵庫県明石市で記者団に対し、「経済的に恵まれず、大学への進学を諦める子どもも多い中、教育行政の責任者である文部科学大臣の発言は重い。萩生田大臣は発言を撤回し、改めて謝罪すべきだ。『説明不足』では済まされず、国会で真意をただしたい」と述べました。

共産 小池氏「許しがたい発言」

共産党の小池書記局長は、記者会見で、「公平な運営ができない制度を急いで導入することが間違いであるうえ、『経済格差による教育格差』を認める許しがたい発言は、憲法と教育基本法を踏みにじるものだ。萩生田氏の辞任を求めるとともに、衆・参両院で予算委員会の集中審議を行い、徹底的にただす必要がある」と述べました。