位礼正殿の儀に参列の
各国要人と首相が会談

22日の「即位礼正殿の儀」を前に、安倍総理大臣は参列する各国の要人らと相次いで会談していて、これまでにパレスチナ暫定自治政府のアッバス議長やウクライナのゼレンスキー大統領などおよそ23の国や地域の代表らと会談しました。

22日の「即位礼正殿の儀」には180余りの国や地域、国際機関の代表らが参列する予定で、安倍総理大臣は21日から各国の要人らと個別に会談しています。

21日の会談は、23の国や地域の代表とそれぞれ10分から30分ほど行われ、このうちパレスチナ暫定自治政府のアッバス議長との会談で、安倍総理大臣は中東和平の実現に向けてイスラエルやアメリカとの対話を再開するよう促し、日本も協力する考えを伝えました。

またミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問との会談では、隣国のバングラデシュに避難している少数派のイスラム教徒・ロヒンギャの人たちの速やかな帰還に向けて適切な措置をとるよう求めました。

このほか、安倍総理大臣はウクライナのゼレンスキー大統領、フランスのサルコジ元大統領らとも会談し、地域情勢などについて意見を交わしました。

儀式が終了したあと、午後3時半ごろからベルギー、マレーシア、カンボジア、ブータンの4か国の国王と、それぞれ10分から30分ほど会談しました。

このうち、カンボジアのシハモニ国王との会談では、カンボジアの和平や民主化に、日本が長年協力してきたことを踏まえ、安倍総理大臣が「さらに力強く国の開発を進めていく支援を今後も惜しまない」と、両国関係の強化に努める考えを伝えました。

安倍総理大臣は23日、中国の王岐山国家副主席やドイツのシュタインマイヤー大統領、24日は韓国のイ・ナギョン首相など、今週25日までの間に合わせておよそ60の国や地域の要人らと会談する見通しです。

一方、麻生副総理兼財務大臣は22日夕方、中国の王岐山国家副主席とおよそ40分間会談し、金融分野を含む日中両国の経済協力を進展させていくことで一致しました。

茂木外相も各国の外相らと会談

茂木外務大臣は、22日、外務省でEU=ヨーロッパ連合や9か国の外相らと相次いで会談しました。

このうち、EUのモゲリーニ上級代表との会談で、茂木大臣は、イギリスのEU離脱をめぐり、「先のイギリスとEU間の新たな合意を歓迎する。日本は今後のプロセスを注視し、合意なき離脱による混乱の回避を強く期待する」と述べました。

また、インフラ開発やエネルギーなどの分野で日本とEUの協力を具体化させたいと伝えたのに対し、モゲリーニ上級代表も「優先分野を決めて取り組みたい」と応じました。

一方、ウクライナのプリスタイコ外相との会談で、茂木大臣は、ロシアによるクリミア併合を念頭に、「日本は一貫してウクライナの主権や領土の一体性を尊重し、力による現状変更の試みは断じて認められないとの立場だ」と述べました。

そのうえで、ウクライナ東部で続く、親ロシアの分離派との紛争の終結に期待を示したのに対し、プリスタイコ外相は、平和的な解決につなげたいという考えを示しました。