ラソン「北方領土で
やったらどうか」小池知事

東京都の小池知事は東京オリンピックの猛暑対策としてマラソンと競歩の会場を札幌に移す案に関連し、「涼しいところと言うんだったら『平和の祭典を北方領土でどうだ』ということぐらい、呼びかけてみるというのは、ひとつありかと思います」などと発言しました。

東京都の小池知事は17日午前、連合東京の定期大会に出席し、あいさつの中で、東京オリンピックの猛暑対策としてマラソンと競歩の会場を札幌に移す案をIOC=国際オリンピック委員会が発表したことに触れました。

この中で、小池知事は「涼しいところと言うんだったら『北方領土でやったらどうか』ぐらいのことを、連合から声を上げていただければと思う」と述べたうえで、「ロシアのプーチン大統領とお親しい安倍総理大臣や組織委員会の森会長なので、『平和の祭典を北方領土でどうだ』ということぐらい、呼びかけてみるというのは、ひとつありかと思います」などと発言しました。

これについて、小池知事は17日夕方、都庁で記者団に対し、「連合は北方領土の返還に大変熱心でビザなし交流に参加するなど、いっしょに活動してきた仲間の会だ。そういう中で、会場を移す案が、突然の札幌と、北のほうだったので、一案として申し上げたところだ」と説明し、みずからの発言は問題ないという認識を示しました。

元島民「領土問題が茶化されている」

北方領土の元島民などで作る「千島歯舞諸島居住者連盟」の宮谷内亮一根室支部長は、北海道根室市でNHKの取材に対し、「『涼しいから北方領土でマラソンをしたらどうだ』と軽々に発言することは、元島民からすると領土問題が茶化されている。残念な思いでいっぱいだ」と批判しました。

その上で宮谷内支部長は「小池氏は過去に北方担当大臣をしているが、今の交渉がどうなっているか現状認識を考えるとこういう発言は出ないはずだ」と述べ、不快感を示しました。