殺した児童生徒 最多の
332人 昭和63年度以降で

昨年度1年間に自殺した小中学生と高校生は332人で、昭和63年度以降、最も多かったことが文部科学省の調査で明らかになりました。一方で、亡くなった理由については、6割近くが「不明」とされていて専門家は、「子どもの自殺は心理的な要因が大きいため一つ一つの詳細な検証が再発防止に欠かせない」と指摘しています。

文部科学省は、全国の小・中学校や高校から報告を受けた子どもたちの自殺の件数を毎年度、公表しています。

その結果、昨年度、自殺した児童生徒の数は男子が193人、女子が139人の合わせて332人で、前の年度から82人、1.3倍の増加となりました。

内訳は、小学生が5人、中学生が100人、高校生が227人です。全世代の自殺者数は、去年2万人余りで、ピーク時の6割ほどにまで減っていますが、子どもたちの自殺は昭和63年度に、今の方法で統計を取り始めて以降最も多くなりました。

自殺の要因6割「不明」

自殺の要因をみると、家庭の問題が41人、親などの叱責が30人、進路の悩みが28人、いじめが9人などとなっていますが、最も多かったのは不明という回答で194人、全体の6割近くに上りました。

専門家「詳細な検証が重要」

今回の結果について子どもの自殺に詳しい国立精神・神経医療研究センター松本俊彦部長は「国が力を入れてきた中高年の自殺が減少してきた一方で、子どもたちへの対策に、まだ課題があることを意味していると思う。中高年の自殺が景気など社会的要因の影響が大きいのと比べ、子どもの自殺は心理的な要因が大きいので、一つ一つの詳細な検証が重要な意味を持つ。教育現場は詳細を明らかにすることで、責任があるとされることに防衛的になるのかもしれないがさまざまな関係者が再発防止のため、調査を進めないといけない」と指摘しています。