倍首相 靖国神社秋の
例大祭で「真榊」奉納

17日から始まった靖国神社の秋の例大祭に合わせて、安倍総理大臣は、「真榊」(まさかき)と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納しました。

東京 九段の靖国神社では、17日から4日間の日程で秋の例大祭が始まりました。これに合わせて安倍総理大臣は、「真榊」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納しました。

安倍総理大臣は17日、台風19号の被害を受けた宮城県と福島県を視察する予定で、今回の例大祭に合わせた靖国神社参拝は行わない見通しです。

第2次安倍内閣の発足以降、安倍総理大臣は平成25年12月に靖国神社に参拝しましたが、その後は参拝していません。

一方で、毎年春と秋の例大祭に「真榊」を奉納しているほか、終戦の日には自民党総裁として私費で玉串料を納めています。

また今回の例大祭に合わせて大島衆議院議長と加藤厚生労働大臣も「真榊」を奉納しました。

韓国外務省が論評「深い遺憾の意」

靖国神社の秋の例大祭に合わせて、安倍総理大臣が真榊と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納したり、閣僚が参拝したりしたことについて、韓国外務省の報道官は17日午前、論評を発表しました。

この中で、「日本の侵略戦争の歴史を美化している靖国神社に、日本政府や議会の指導者たちが再び供え物をおくり、参拝を強行したことに深い遺憾の意を表明する」としています。

また安倍総理大臣を名指しすることはありませんでしたが、「日本の責任ある指導者たちが過去の歴史に対する謙虚な反省を行動で示す時、未来志向的な両国関係の発展に寄与し、周辺国や国際社会の信頼を得ることができるということを改めて指摘する」としています。

中国外務省「侵略に対する誤った態度」

靖国神社の秋の例大祭に合わせて安倍総理大臣が「真榊」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納したり、閣僚が参拝したりしたことについて、中国外務省の耿爽報道官は、17日の記者会見で「靖国神社は日本の軍国主義が起こした侵略戦争の精神的なシンボルであり、侵略戦争の重い責任を負う14人のA級戦犯をまつっている。日本の政府要人の行動は、侵略の歴史に対する誤った態度を反映している」と述べ、批判しました。

そのうえで「日本側は侵略の歴史を直視して反省するとともに、実際の行動をもって、アジアの隣国と国際社会の信用を得るよう促す」と述べました。