「水や泥で汚れた歴史資料
捨てないで」研究者団体

災害で被害を受けた文化財の救出活動にあたっている「歴史資料ネットワーク」は、台風19号で被災した人に向けて、水や泥で汚れた古文書などの歴史資料は捨てずに保管し、処置のしかたが分からない場合は相談してほしいと呼びかけています。
「歴史資料ネットワーク」は、阪神・淡路大震災をきっかけに発足した歴史研究者などの団体で、東日本大震災や西日本豪雨など各地で被害を受けた文化財の救出活動にあたっています。
今回の台風19号の被害を受けてホームページに「歴史資料保全のお願い」というメッセージを寄せ、被災した人や片づけなどを行うボランティアに向けて、古文書や写真、古いふすまや農具といった歴史資料は捨てずに保管してほしいと呼びかけています。
この中では、水や泥で汚れた紙の資料はカビが生えるなど劣化していることがあるものの、適切な処置によって修復が可能な場合があるとして、処置に困ったら各自治体の教育委員会や「歴史資料ネットワーク」に相談してほしいとしています。
歴史資料ネットワークは「被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。長く伝えられてきた古い文書や記録などがなくなってしまえば、その地域の歴史を後世に伝えていくことができなくなってしまうので、歴史資料の保全活動にご協力いただければ幸いです」とコメントしています。