常災害対策本部を設置
「人命第一 徹夜で作業を」

台風19号による被害を受けて、政府は、非常災害対策本部の会議を開き、安倍総理大臣は、浸水によって孤立した住宅からの被災者の救助や、安否が分からない人たちの捜索など、人命第一で、夜を徹して取り組むよう指示しました。

台風19号による被害が各地で相次いでいることを受けて、政府は、災害対策基本法に基づく非常災害対策本部を設置し、午後4時半すぎから総理大臣官邸で開かれた1回目の会議には、安倍総理大臣や菅官房長官、武田防災担当大臣らが出席しました。

この中で安倍総理大臣は、「とにかく人命第一だ。浸水により孤立した住宅などからの救助や、安否不明者の捜索に全力で当たってもらいたい。現在、警察、消防、海上保安庁、自衛隊が11万を超える態勢で懸命な救出捜索活動を進めているが、夜を徹して作業にあたってほしい」と述べました。

また、安倍総理大臣は、河川の氾濫で浸水している地域について、国土交通省が派遣したポンプ車140台態勢で排水作業にあたっているとしたうえで、今後、態勢を増強して、浸水の解消に取り組むよう指示しました。

さらに、「各地の避難所では、数多くの人が不安な時を過ごしている。現地の具体的なニーズをしっかり踏まえつつ、水や食料、段ボールベッドなど、避難所の生活環境整備や避難者の生活に必要となる物資をプッシュ型で支援してほしい」と述べるとともに、引き続き、土砂災害や河川の氾濫に警戒するよう国民に呼びかけました。

官房長官「8都県から自衛隊に災害派遣要請」

菅官房長官は、午前10時すぎに記者会見し「長野県の千曲川を中心に、警察や消防、海上保安庁、2万7000人の自衛隊が、救命救助活動や安否不明者の捜索、避難誘導などに全力で当たっている」としたうえで、8つの都県から自衛隊に災害派遣要請があり、人命救助にあたっていることを明らかにしました。

そのうえで、菅官房長官は「停電や断水、交通機関の運休など、国民生活への大きな影響が続いているが、一刻も早い復旧に向けて関係機関・事業者が全力をあげている。政府としては発災前から関係自治体に先遣要員を派遣し、自衛隊と連携しながら被害状況などの情報収集を行っている」と述べました。

河野防衛相「ヘリで人命救助や孤立者の誘導」

河野防衛大臣は、防衛省で記者団に対し「1都7県の18か所で、災害派遣の要請を受けて、およそ400人の自衛隊員が、現場で、人命救助、ならびに、孤立した住民の誘導などを行っている。また、自治体ならびに東京電力の合わせて252か所に連絡員を派遣している」と述べました。

そのうえで、河野大臣は「ヘリコプターやドローンなどで、上空からも状況の視察を行っているところであり、つり上げ装置のついたヘリコプター25機を、千曲川ならびに阿武隈川の水系を中心に投入し、孤立された方々の救助を行いたい。そのほか、必要なところにも、適宜、出動していく」と述べました。

また、河野大臣は、被害などの状況に鑑みて、14日、予定されていた自衛隊の観艦式を中止することを明らかにしました。