助金“不交付は展示内容
で判断せず”萩生田文科相

愛知県で開かれている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」に交付する予定だった補助金を、全額交付しない決定をしたことについて、萩生田文部科学大臣は、記者会見で、展示内容による判断ではないと強調しました。

このなかで、萩生田文部科学大臣は、決定の理由について「適正にルールにのっとって申請をしてもらい、採択したものについては、応援していこうというのが基本姿勢だ。しかし、今回の場合は、本来予見をして準備すべきことをしていなかったり、申請通りの中身になっていなかったりしており、残念ながら補助の対象にならないと判断した。展示の中身については、全く関与していない」と述べました。

また、愛知県の大村知事が、決定は承服できないとして、裁判で争う考えを示したことについて「発言は報道で承知しているが、詳細は把握していないので、コメント差し控えたい」と述べるにとどめました。

官房長官「検閲にあたらず」

文化庁が愛知県で開かれている国際芸術祭に交付する予定だった補助金を、全額交付しない決定をしたことについて、菅官房長官は、展示内容による判断ではないとして憲法が禁じる「検閲」にはあたらないという認識を示しました。

脅迫めいた電話などが相次ぎ、一部の展示が中止された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」をめぐり、文化庁は26日、会場の安全などを脅かすような重大な事実を認識していたにもかかわらず申告しないなど手続きが不適切だったとして、交付を予定していた補助金およそ7800万円を全額交付しないことを決めました。

これについて、菅官房長官は閣議のあとの記者会見で「今回の決定は、補助金申請の手続きに関して不適当な行為が認められたことによるものだ。文化庁が、関係法令と交付要綱などに沿って適切に判断した」と述べ、展示内容による判断ではないとして、憲法が禁じる「検閲」にはあたらないという認識を示しました。